たかがチェンソーと侮ることなかれ⑫ーまだまだ続・エンジン始動

桧山さんに「愛情を注いでチェンソーを整備しなさい」と説教しておきながら、今度は自分のエンジンがかからなくなった林さん(>_<)
立つ瀬なしの林さんを見て、チェンソーが「ニヤリ・・・」
ほんと、意地悪な奴らです!
必死に言い訳を考える林さん・・・、
「そもそもエンジンなってもんは、かかればラッキーと思えばいいのよ」
どうゆうこと??

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チェンソーは旧車と同じ?


このところの旧車ブーム、関連のTV番組も人気!
旧車オーナーに「エンジンをかけてください」と番組スタッフがリクエスト。
するとオーナーはうれしそうに、
「かかると思うんですけどね♡」とか、
「コツがいるんですよ♡」と。
理由は、外気の影響を受けるキャブレター(機械式)車であるため。
(キャブレターエンジンはピストンの動きで生まれる負圧で燃料を引き込む)
生き物と同じく、暑い寒いは苦手です。
林さんの愛車「スズキ・キャリィ」や杉山さんの「スズキ・ジムニー」も昭和のキャブ車、やはりエンジンがかからないことがあります。
かかりにくいことは、しょっちゅう(>_<)
コツをつかむまで苦労します。


なので「今日はかかるかな~」と一抹の不安を覚えながらキーをひねる。
常にその日の天気(湿度・気温)を気に留め、チョークを引き(ジムニー)多少のアクセル操作やセル操作をしながらエンジンをかけます。
温まったエンジンの再始動にも気を使います。
コツをつかんだ本人でないと、かなり手こずることに。
チェンソーもキャブレターエンジンなので、その日の天候、現場の標高(気圧)の影響を受け調子が悪くなることがあるのです。

キャブレターエンジンも扱いやすく!


林さんのキャリィも後期型になると、エンジンの始動性は改善されます。



(カタログはエブリィより)

同世代(昭和後期~平成初期)の森さんの「ホンダ・アクティー」や桧山さんの「ダイハツ・アトレー」なども、同じキャブ車でありながらがいつでも一発始動!


(点火方式なども改善されてます)

かからないかもしれない・・・、という不安からようやく解き放たれた昭和のキャブ車!
ところがチェンソーは、平成になってもある程度のコツを必要とする、昭和気質なエンジンだったのです。

いつの間にか林さんのチェンソーの話から


黙って話を聞いていた桧山さん・・・、

そう、ついにチェンソーにも、電子制御キャブの時代が到来したのです。
(まだ一部のプロフェッショナル上位機のみではありますが)
チーム森の次期メイン・チェンソーは、電子制御キャブになるかも!

近いうちに意地悪な機械式キャブチェンソーは、お払い箱になる⁉

へき地に強い意地悪(アナログ)エンジン


ちなみにですが、現在の自動車にはキャブレターではなく、コンピューター制御で燃料を噴射する装置「インジェクション」が導入されています。
軽キャブバンクラス(軽1BOX)に初めてインジェクションを搭載したのが、前出の「エブリィ・ターボ」でした。

当時、ターボEX(オートマ)に乗ってましたが、ターボ(超ドッカンターボ!)のおかげか、軽快な走りでした。
もちろん、エンジン始動もスムーズ!(^^)!
しかし、ノーマルエンジンのインジェクション車は、キャブ車に比べ明らかに走行性能が落ちました。
インジェクション化の目的が、排ガス規制対応、燃費向上でしたので・・・。

しかし、アフリカの砂漠とかアマゾンの密林(奥地)では、今でも旧式アナログ車(トヨタ・ランクルなど)が人気。
理由は、壊れにくいし壊れても現地で何とか修理できるから、だそう。
同じ理由で、奥山での作業が多い森林整備では、まだアナログな機械式キャブチェンソーが無難な様子。
電子制御キャブチェンソーを使ったことがないので、良し悪しをコメントすることはできませんが、少なくとも近くに電子キャブを扱える正規店がなければ使いこなすのは難しそう。
基本、自動調整なのですが、調子が悪くなった時の調整は自分(現場)で行えない。
販売店に持ち込んで、専用ソフトによるプログラム調整が必要と聞いています。
自分の346XPは並行輸入品をネット購入したものですが、購入後のメンテは自己責任(保証なし)です。
機械式キャブ仕様は何とかなりますが・・・、
電子制御キャブ仕様を正規代理店以外で購入するのはやめた方がよさそうです。

自動車と同じくチェンソーも排ガス規制対応のため、新技術が導入され進化を遂げています。
林業自体もICTとかDXが導入される変革の時代。
いまだに旧車&ガラケーのチーム森のみなさん(自分のこと)

果たして、デジタル化についていけるかどうか・・・。
今はとにかく、意地悪旧式チェンソーのご機嫌をうかがいながら“愛情を込めたメンテ”を続けるしかない・・・。

〈追記〉
不覚にも、チェンソーにもインジェクションの時代がすでに訪れておりました。
スチールのMC500iというモデル、世界初の電子制御燃料噴射装置(フューエルインジェクション)搭載のチェンソーです。
排気量は約80㏄!!推奨ガイドバーは50㎝?大径木の伐倒・加工用のプロ機です。

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投稿者: natsukopapa2017

動物と昭和と軽キャン好きのイラストレーターです。 林業(フォレストマネージャー)をしていたためその関係のお仕事が中心です。