昭和の原付バイクーヤマハ・ボクスン&チャンプCX

(前回の「ヘルメット」つながりですが)
「ノーヘル」少年・少女たちにとって、ファッションの“邪魔”だったヘルメット。
「ママヘル」着用のママたちにとっては、使わないとき置き場に困るという点では“邪魔”だったヘルメット。
ノーヘルの問題は、1986年(昭和61年)のヘルメット着用義務化で解決しましたが、
ママヘルの問題も、一足先の1985年(昭和60年)に解決の糸口が見出されたのでした・・・、ある個性的なスクーターによって。

スポンサーリンク

ヤマハ・ボクスン


キャッチフレーズは「デイパック・スクーター」

(当時のヤマハスクーター総合カタログより)

初めてシート下に“収納スペース”を設けたエポックメイキングなモデル。
今では当たり前の“ヘルメット格納”の基礎となったスクーターです。
それまでは、いろいろ苦労したヘルメットの置き場所・・・、

前カゴだったり、バックミラーだったり。
ヘルメットホルダーもあるにはあるが、厄介なのはの時。

(懐かしのMyスクーター、ヤマハ・トライ)
ヘルメットが雨水をためるバケツ代わりに(>_<)
内側が濡れたヘルメットを被ったときの超不快感、一生忘れない。
対策としては、ヘルメットをビニール袋で覆っておくとか、ステップに置いておくとか。
フルフェースタイプのヘルメットは、常日頃から盗難の心配がつきもの。

そこに救世主のごとく現れたのが、
ヤマハ・ボクスンー1985年(昭和60年)

シートを開けると、


(総合カタログより)

スクーターにトランクをつくろうという発想が素晴らしい!
ただ、エンジンレイアウトなど根本から見直したわけではなく、収納スペースの“付け足し”だったため、かなり個性的?なデザインに。
同時期に発売されたヤマハ・トライが、カジュアルで“尻下がり”なトライアングルデザインだったのに対し、ボクスンはスポーティーで“尻上がり”なデザイン。
対照的な存在でしたが、若者に受けたのは・・・、トライだったようです。

スポンサーリンク

早すぎたデビュー?


ヘルメット着用義務化に発売された、良心的なボクスン。
ノーヘルが当たり前の若者たちには、無用の収納スペース。
彼らにこそ、ヘルメットを被ってほしいという意図は、残念ながら伝わらなかった・・・。
当時のヤマハには「ジョグ」や「チャンプ」といったスポーツスクーターがラインナップされており、そちらに人気が集中。

(チャンプは後半に再び登場するので、ご記憶を)
ボクスンも、ハイパワーエンジンで最高クラスの走行性能だったにもかかわらず、存在感が薄かった。
ボクスンの本当の価値は、ママヘルを被った安全意識の高いママたちにしか分からなかったのか・・・。

ママ原チャリになれた?


ママヘルが定着していた主婦層にはありがたかった、シート下の収納スペース。
買い物の足であり、荷物を運ぶ手段でもあったスクーター。
あの手この手で、収納スペースを確保した“ママ原チャリ”

(せっかくのトライアングルデザインがだいなし?)

ヘルメットや貴重品が、雨に濡れることなく鍵のかかった状態で保管できるトランクは、非常にありがたかったはず。
ただ、残念だったのは・・・、

ボクスンにはママ原チャリの必須アイテム、「リアバスケット」取り付けられなかったこと。
「ひったくり」被害が今ほどひどくなかったこの頃、リアバスケットは最大のカーゴスペース。
箱入り粉せっけんやトイペなど、かさばる荷物はリアバスケットが定位置。
バスケットなので、少々上にはみ出しても大丈夫。
しかし、シート下トランクには、それほどの収納力はなかった(>_<)
ボクスンが、リアバスケットを犠牲にしないトランク構造であったなら、“無敵のママ原チャリ”であったことは間違いありません。

こちらもご参考に⇒ママ原チャリの特徴

 

「メットイン・スクーター」の時代に


ホンダが1987年(昭和62年)「メットイン・タクト」を 発売。
いよいよ、スクーターはシート下収納が“当たり前”に。
「メットイン」は、ホンダの登録商標だそうです。

「メットイン・タクト」については⇒こちらで

一方のヤマハは、革新的なボクスンをつくっておきながら、それに続くトランク付きスクーターを発売しませんでした。
その次にヤマハから登場した、いわゆるメットイン・スクーターは「チャンプ」にシート下収納を追加した「チャンプCX」
キャッチフレーズは「ハッチバック・スクーター」
その発売は、ボクスンから約3年後の1988年(昭和63年)でした。




(当時の「チャンプCX」カタログより)

ヤマハのシート下収納スペースは、位置が後方(ホンダ・タクトは前方)
チャンプCXは、ボクスンのような尻上がりで腰高なデザインではなくスマート、
しかもリアキャリア付き。


つまり、ママ御用達リアバスケットも取り付け可能!

トータルデザインは、メットイン・タクトに分があるような気がしますが、個人的には個性的なボクスンの面影をやや残すチャンプCXが好きですね。

平成になってから、実用的だけど個性のないモノが多くなったと思うのは、自分だけ?
昭和のモノは、個性豊かだけど実用性は?みたいなものも多かったけど、使えばそれなりに良かったし楽しかった。
ボクスンのような、実用性は高いのに超個性的!みたいな自己主張の強いモノは、令和では通用しないのだろうか?

そう言えば、自己主張の強さでは“夏子さん”も負けてなかったですね(-_-;)

スポンサーリンク