自分が10代の頃、高所恐怖症で渡れなかった「谷瀬の吊り橋」
そのリベンジにつき合わされた夏子さんが、吊り橋の上で引き起こした”大事件”のお話です。
正確には「高所恐怖癖」と言うそうですが
本当の「高所恐怖症」は、日常生活にも支障をきたす不安障害の一つとされています。
そこまでではありませんが、家の家系は普通の人より高い所が苦手。
しかし、高所恐怖”癖”であれば、徐々に高所に慣らしていけばそれなりに克服できるものです。
塗装業という職業柄、高所作業が日々続き、気が付くといつの間にか平気になっていました。
もはや谷瀬の吊り橋は、恐れるに足らずであります。
(平気とは言え、最近の子供に多いとされる「高所平気症」とは全く異なります)
谷瀬の吊り橋
奈良県十津川村にある吊り橋です。
村のホームページによると、長さは297M、高さ54Mの生活用鉄線つり橋とあります。
十津川村ホームページより
昔から有名な観光スポット、駐車場やキャンプ場(橋下の河原)が整備されています。
前日に立ち寄った竜神温泉にも吊り橋があり、散歩がてら夏子さんと渡りました。
しかし、夏子さんの顔は・・・、楽しそうではない(気付くべきだった)
「グレーチング」が嫌いな子は要注意
過去何度か登場する”グレーチング” 格子状になっている側溝のフタのことです。
散歩の途中、グレーチングで立ち止まったり、大げさにジャンプする子は「高所恐怖癖」かも?
そんな子が、吊り橋に連れていかれて”楽しい”訳がないのです。
高さ57mの吊り橋上でパニック
車中泊した道の駅「十津川郷」から直行したので早い時間に到着、それでもすでに大勢の人が。
橋の入り口では、警備の方が人の流れを管理しています(一度に大勢が渡ると危険なので)
この後、さらに観光客が増えるため「間もなく吊り橋は一方通行になります」とのこと。
こちらから対岸の谷瀬に渡った人は、シャトルバスで戻ることになるのです。
夏子さんを連れていくには、一方通行になる前に戻ってこなければならない。
警備の方に相談すると、「まだ大丈夫」とのことだったので、急いで渡ることに。
写真を撮る余裕もなくとにかく渡り切り、折り返しの際に1枚だけ、
吊り橋の中央まで戻った辺りで、後方から子供の声で「ウンチだ!」
振り返ると、夏子さんが歩きながら、軟らかめのウンチをもらしていたのです。
慌てて拾いに行くものの、あいにくビニール袋しか持っておらず、ビビウンチには対応できず。
幸い、ママさんがポケットティッシュを持っていたので、それで拭き取りながら回収。
「皆さん、うんちです。気を付けてください~」さっきの子供がご親切に叫んでいる。
ウンチの回収に追われる我々と、一方通行になる前に渡りたい人、高所ウンチに戸惑う人、「ウンチ!」と叫ぶ子供、そして夏子さんとで吊り橋の上はパニック状態。
皆さん、どうもご迷惑をおかけいたしました<(_ _)>
この後、無事渡り終えた夏子さんに異常はなく、何もなかったかのような顔をしておりました。
でも、相当怖かったんでしょうね。
「悪かったね、なっちゃん」、以後気を付けることにしました。
しかし、時が経つと夏子さんの高所恐怖癖のことなど忘れてしまい、
大鳴門橋、高さ45mの「渦の道」にて。
詳しくは⇒夏子さんと見た景色―大鳴門橋
夏子さんのせいで、とんだリベンジとなってしまった谷瀬の吊り橋。
機会があれば、一方通行で構わないので景色を楽しみながら、夏子さんのことを思い出しながら、ゆっくり渡ってみたいものです。