今年、世界(150ヶ国以上)生産累計台数1億台を達成したホンダのスーパーカブ。
日本の都会では(いや田舎でも)生活の中でカブを目にしない日はないのでは?
次々と原付バイクが姿を消していく昨今、今後も期待できるのはスーパーカブだけなのか・・・。
世代で異なるスーパーカブのイメージ
誕生は1958年(昭和33年)、来年で誕生から60周年を迎えるスーパーカブ。
2017年式新型は原点回帰、初代のC100のデザインが復活しました。
40、50代
自分たち40,50代の世代にとってスーパーカブは、ビジネスバイクの代表。
「ど根性ガエル」の梅さんの影響か?カブと言えば、出前!
数年後、自らも中華料理の出前で使用したカブ(1983年式)
この頃のスーパーカブは、遊び心を排除した硬派なイメージでした。
バイト先にはカブ以外にスクーター(スズキ・ハイ)がありましたが、
出前には断然スーパーカブ。
理由は、その積載能力。
中華料理は重い汁物が多い上、種類も多くかさばるので、おかもちは幅広の大型タイプが必須。これが意外に重い。
ある日、新人バイトのY君が、「出前行ってきます」といって店を出た。
次の出前の準備のため残った岡持ちを開けると、料理が入ったまま。
Y君は空のおかもちを持ってお客さんの家に向かったのでした。
岡持ちの重さを知らないY君は、中身が入っていると勘違いしたのです。
すぐ追いかけたものの追い付けず、黙って空のおかもちを眺めるY君とお客さんの元へ。
あの時の光景は今でも脳裏に焼き付いている。
話がそれましたが、重く大きなおかもちは、スクーターの足元ではちょっと不安定。安全に運ぶには、やはりスーパーカブでないと。
仕事では信頼性の高いスーパーカブ、でもプライベートはスクーター・・・、そんな時代だった。
60代~
しかし、60代以上の方になるとカブのイメージは大きく変わります。
初代カブのC100の開発コンセプトのひとつが、「女性が乗りたくなるようなバイク」
フレームパイプやエンジンがむき出しの無骨なバイクではなく、デザインを重視。
でありながら「悪路に強い丈夫なバイク」、一見矛盾するようですが、耐久性や機能性を追求すると無駄が省かれ美しいものが出来上がる-のお手本ですね。
誰でも乗れ、耐久性や経済性に優れていたC100は、すぐに人気を集めたそうです。
特に当時の広告では、生活の足としてはもちろん、商売やレクリエーションなど幅広い用途で活躍するバイクとしてアピール。
極め付きは、新郎新婦がスーパーカブで新婚旅行!
詳しくはこちら⇒ホンダ・モーターサイクルグラフィティ
青春時代が蘇るようです。
30代
以外だったのは、30代前後の若い世代のイメージ。
全く興味ないのかと思いきや、職場の後輩が「ツーリングに行くので」とスーパーカブ90を所有。
経済性の高さに魅力を感じているようです。
リッター5キロ前後のアメ車にあこがれた我々世代(若かりし頃ですよ!)からすると、「賢い!」
でも、ちょっと不思議な世代です。
国内では、あらゆる年齢層から支持されているスーパーカブですが、海外に目を向けるとその国の生活事情に対応して進化している様子がうかがえます。世界中で愛される理由がそこにあるようです。
1958年(昭和33年)生まれは優等生
スーパーカブが誕生したこの年に完成または発売されたものをいくつか。
東京タワー
新木場のビルから見た東京タワー(2010年12月)
同じビルからは建設中のスカイツリーも、
スカイツリー完成後も東京タワーの存在感が薄れることはありませんね。
スバル360
愛称は「てんとう虫」、大阪万博開催年の1970年まで製造された名車。
丸みを帯びた車体は、軽量化のため薄くした外板の強度を出すためと、どこかで聞いた。
機能性を追求すると良いデザインが生まれる、スーパーカブと同じ。
スバル360は、自分が子供の頃お世話になった車。
この車のDNAは後々受け継がれ、サンバーのような更なる名車が生まれるのです。
チキンラーメン
これまた大変お世話になっている即席ラーメン。
(2018年4月、画像追加)
子供の頃、こっそりベビースターラーメン代わりに“バリバリ”食べたことも(流石に味が濃い)
せっかくなので、スーパーカブとチキンラーメンのコラボレーションで。
時代が昭和から平成に変わっても、愛され続けるものって良いですね。
ビジネスバイクから再びファミリーバイクへ
「女性が乗りたくなるバイク」をコンセプトに60年前に誕生したスーパーカブ。
その後、ファミリーバイクやスクーターにその座を奪われたものの、新型スーパーカブを見ていると、ビジネスだけでなくレジャー・ファミリーバイクとして幅広い支持が期待できそう。
10、20代の若い世代に愛されると良いのですが。
スーパーカブ時代の再来!楽しみです。