サントリー館も変わった形をした建物でしたが、その上を行くのが「ガス・パビリオン」
たいていは、「~館」と名付けられるのですが、“ガスカン”と発音だけ聞くと、“ガス管”をイメージするかも?
理由は分りませんが、見た目からすると“ガス館”より“ガス・パビリオン”の方が確かにお似合い。
この辺りは、奇抜で個性的なパビリオンが集中していたエリアですが、全体としては、なぜか「調和」の取れた魅力ある未来都市を形作っていました。
ユーモラスな外観
先ずは、周辺を確認しておきましょう。
(EXPO’70パビリオン展示物)
先に訪れた
“和風サンヨー館”と
“和洋折衷サントリー館”
の間にある、和とも洋とも言えない?ガス・パビリオン。
左隣の広場は「水曜広場」
各広場には、動く歩道やモノレールの乗り換えホーム、展望デッキが設けられていました。
駅を降りた人は、展望デッキから目指すパビリオンの方向を見定めることができました。
水曜広場に隣接したガス・パビリオンは、見つけやすい場所にあった上にこの外観、
見落とすわけがない( ^ω^)・・・。
巨大蚊取り線香のブタさん蚊やり器?
角?の高さは、31mもあり、760個の蚊取り線香・・・じゃない!
760人の観客を収容できたそうです。
さらに目を引いたのは、ホステスさんのユニフォームデザイン、
ホステスさん登場!
「このパビリオンにして、このホステスさんあり!」て感じ。
約50年を経た現在でも、人気のガス・パビリオンとホステスユニホーム。
なぜこのようなデザインになったのでしょうか?
理由は、やはり「テーマ」と関りがあるようで・・・、
テーマは「笑いの世界」
大阪らしいテーマ「笑いの世界」
パビリオンの外観は、口を大きく開けて笑う様子を表現したものでした。
同じく、ホステスユニフォーム胸元のラインデザインも、笑う口をイメージしたもの。
ところで、万博のテーマ「人類の進歩と調和」と“笑い”は、どうつながるのでしょうか?
ガス・パビリオンで配られたリーフレットによると、
“火”は人類の進歩の要、その進歩と人間性の調和を図るひとつの方法が“笑い”ということでしょうか。
テーマを提供した参加者は、都市ガスの事業者団体「日本瓦斯協会」(現、日本ガス協会)です。
では、ガス・パビリオンに入ってみましょう。
「笑い」を表現したパビリオン内部
➀入口
館外テントには、夏場の暑さ対策として冷風が送られていました。
スロープを上がり、エントランスホールを経てエスカレーターで3階まで上がるとそこは、
➁映像ホール
床に設置されたスクリーンを挟んで向かい合わせに観客は席に着きます。
床に加え、左右のサイドスクリーンと天井から降りてくる正面スクリーンの4面構成の映画館。
音楽を軸とした笑いの世界が、映像として提供されたそうです。
次に案内されるのは、
➂展示ホール
噴水・光・音・映像・芸術を用いて、笑いの世界が演出された展示ホール。
➃レストラン「ガス灯」
88席の洋風レストラン(メインはオーブン料理)
ガラス越しに展示ホールの様子を楽しめたそうです。
ガス灯って何?と思われた方は、
日本ガス協会の特設サイト「ガス灯のある街」を覗いてみてください⇒こちら
街灯が電化され姿を消したはずのガス灯、意外にも全国各地でまだ明かりを灯しているのです。
サイトのリストには載っていないのですが、岐阜の下呂温泉にもガス灯が。
ガス灯は温泉街にピッタリ、良い雰囲気を醸し出しています。
特に寒い時期のガス灯は、LED電球にはない温もりがあります(側に行っても暖かいわけではありませんでしたが)
みなさんの街にもまだ残っているかもしれませんね。
➄トータルガスエネルギー・システム
ガスで空調(館内・外冷房)照明、動力すべてをまかなうガス・パビリオン。
ガスエンジンと発電機を組み合わせたものが4セット、地下の機械室に据えられていたそうです。
ここは入口スロープから見えるようになっており、進歩を遂げた火(ガス)の実演・展示でもありました。
現在、ガス・パビリオンとは仕組みが異なるものの、ガスで電気をまかなう「エネファーム」が実用に至っています。
あの場所は今・・・。
ガス・パビリオンが大きな口を開けて笑っていた場所は、
静かな林に生まれ変わりました。
お決まりのスタンプを押したら、ガス・パビリオンともお別れです。
トラブル発生!
人混みの中、夏子さんとはぐれ迷子になったパパさん。
(昔、万博会場で本当に迷子になったパパさん)
広さ甲子園球場85個分の万博会場で、離れ離れになった2匹。
この危機的状況から救ってくれる強い味方が、
エキスポランドにいるのです。
ということで、次回は「迷子センター」です。
「迷い子センター」に行かれる方は⇒こちら
「サントリー館」に戻られる方は⇒こちら