森班長の“思い立ったが吉日”で今回はキャンプということに。
(前回の林業モノレールの続きです)
マツダ・ボンゴに荷物と道具を詰め込んで、いざ出発であります。
林業技術者の4人にとってボンゴ(3代目以降4WD)は、過酷な林業の現場でも頼りになるお気に入りの車です。
今回は、懐かしい2代目ボンゴにのって・・・、
初代ボンゴは超低床で、凸凹?
日本に初めて導入されたこざ式モノレールは「アルヴェーグ式」といって車内の床が凸凹していました。
そこで、新たに「日本こざ式」が開発され、凸凹をなくし車内の使い勝手をよくしました。
(前々回のモノレールのお話です)
1966年(昭和41年)に誕生した初代ボンゴ(バン・ワゴン・トラック)の床も、凸凹でした。
エンジンが後ろに搭載されていたためです。
エンジン部の高床と、中央部の超低床とからなっています。
当時はワゴンとは言わず「コーチ」と呼んだそうですが、高床部に3列目シートを設置した乗用タイプでした。この辺りの発想は、アルヴェーグ式モノレールと重なる部分があります。
このボンゴ・コーチがワンボックス(キャブオーバー)・ワゴンの先駆けとなりました。
今となっては、荷室が凸凹していると貨物車(バン・トラック)としては使いにくい気もしますが、超低床(低重心)ゆえ荷物を積んだ状態でも安定した走りだったのではないかと思います。
当時としては、この超低床荷台の方が勝手が良かったのかもしれません。
初代と2代目は2WDのみの設定だったため、残念ながら林業には不向きでした。
初代ボンゴは、約10年の長きにわたり生産され、ワンボックスカーの代名詞になりました。
2代目ボンゴは「ワイドロー」
森さんたちの2代目ボンゴは、1977年(昭和52年)に登場しました。
「ボンゴ・マルチバン/マルチワゴン」と呼ばれました。
2代目はフロントエンジンを採用したため、床の凸凹はなくなりました。
結果、車中泊の際に便利な“フルフラット”などシートアレンジも多彩になりました。
しかし、2代目ボンゴの最大の特徴は、床がまっ平になった「ワイドロー」でした。
リアタイヤをシングルタイヤから小径ダブルタイヤに変更し、タイヤハウスの出っ張りのない完全フラットフロアにしたのです。
当時としては画期的なことで、他社にも波及していきました。
文字通り「マルチ」な車として人気を博し、いよいよワンボックスカー=ファミリーカーの時代到来です。
運転はまたも桧山さんですが、ミッション車OKの彼女もコラムシフトは初めてのご様子。
(自分もMTコラムシフトはダットサントラックの1回のみ)
いったん、コラムシフトは姿を消しますが、やがてATコラムシフトとして復活します。
後の4代目ボンゴでもATコラムシフトが採用されます。
流行りの影響を受けやすいシフトレバー、さすがにMTでコラムシフトの復活はないか・・・。
3代目ボンゴは「フルワイドロー」
1983年(昭和58年)に3代目ボンゴが登場。
初めてATや4WDも設定されますますマルチな車に。
もちろん、ワイドローもちゃんと引き継がれました(2WDのみ)
さらに新機種として「フルワイドロー」(2WDのみ)なるものまで登場。!
フルワイドローは、前後タイヤを小径シングルタイヤで統一しました。
何かと面倒なダブルタイヤは敬遠されがちでしたが、これで問題解決!
と、思いきや・・・、意外に短命に終わったモデルでした。
3代目は、内外装ともに改良を加えながら16年にわたり生産されました。
個人的にもワゴン(中期型2WD・AT・ディーゼル)バン(後期型2WD・MT・ガソリン)と乗り継いだ思い入れのあるモデル。
バン(ガソリン車)を購入したときはディーゼル車全盛期でしたが、5年後に手放したときには状況は一変、中古車市場ではガソリン車でないと値が付かない状態でした。
3代目ボンゴではいまいち?だったディーゼルエンジンですが、「ボンゴ・フレンディー」に移行してからは評判がぐっと良くなりました。
フレンディーや愛着のある3代目については、次の回で。
4代目(マツダ最終型)ボンゴは・・・。
ディーゼル車同様、ワンボックスカーにも時代の流れが・・・。
安全性向上のためボンネット付きのミニバンタイプ(セミキャブ)に移行していきます。
しかし、1999年(平成11年)に登場した4代目(バン)は、ワンボックスタイプを貫きます。
初めて見たときは“びっくらこきました”が、見慣れると“これはこれでありかな”感が。
どことなく初代ボンゴに似ていると感じたのは自分だけ?
特に林業とって、4代目のようなワンボックスタイプ+4WDはありがたい存在です。
荒れた林道でも問題なく走破してくれました。
(ボンゴ4WDに関しては次回で詳しく)
しかし、4代目デビューのカタログの表紙を飾った「GLスーパー」(最高グレード)がやがて姿を消し・・・、
あの“ワイドロー”までもラインナップから消え、低床のみに。
景気の低迷もあり、ボンゴクラスの貨物車は売れなくなっていたようです。
街でよく見かけるのは、ハイエースかエブリィ。
夏子さんのごとく、大きくも小さくもない中途半端なサイズとなってしまったボンゴ。
そして、ついにその時が・・・、
2020年(令和2年)5月にボンゴ・バンの自社生産を終了するとのアナウンス。
かなり前から噂されていたとはいえ、相当ショックなニュースでした。
以後は、他社からのOEM供給を受けボンゴとして販売されます。
時代の流れとはいえ・・・、(>_<)
長くなりましたが、そろそろ森さんたちが出発するようなので、続きは次回に。