チーム森の要!林さん自慢の愛車は、スズキ・キャリイ。
ただし、令和でも平成でもない・・・、昭和(1980年代)のキャリイ。
キャリイはスズキさんが1961年から販売する軽トラです。
60年の長き歴史の中で現在(2021年)は11代目、林さんのは昭和最後の8代目になります。
昭和大好き!の林さんにはピッタリの車です。
なぜ軽トラ?
林業で軽トラが好まれる理由は・・・、
汚れた道具や作業着、油まみれのワイヤーロープや機械を運ぶにはトラックが便利!
加えて、マツダ・ボンゴと同じ高低2段副変速付き4WDでオフロードに強い!
ボンゴと違い、軽トラのトランスファーレバーはたいていこの位置。
平成の初めまでは軽バン4WD車にも副変速機付きがありましたが、その後の生活四駆化により消滅。
タイヤの小さい軽トラ・バンはオフロードには不利、無理をさせないためにも低速レンジは欲しいところ。
高速レンジしかない生活四駆の奥の手は、走り幅跳び戦法!
立ち往生した場所からいったん下がって距離を取り、助走で勢いを付けて走り抜ける!
(飛び越えるのはさすがに無理)
成功率はそこそこ、でも車には負荷がかかり良くない(>_<)ですね。
しかし、低速レンジをもってしても突破困難なのがデコボコ悪路です。
たとえ4WD車でも、片方のタイヤがスタックしたり浮き上がって空転すると、デファレンシャルギヤ(デフ)の働きで反対側のタイヤには駆動が伝わらなくなります。
この状態を打開するための切り札が、デフロック!
(マツダ・スクラムトラックカタログより)
現在、軽自動車で副変速機付き4WD+デフロックを選択できるのは、軽トラだけ!
なぜ昭和のキャリイ?
軽トラがもっとも売れたのは昭和の時代、1980年代だそうです。
軽トラ黄金時代の1985年(昭和60年)に登場したのが、8代目キャリイです。
当初は2WDに限り、杉山さんのジムニーと同じ2ストエンジンもラインナップされました。
4WDはすでに副変速機付でリミテッド・スリップ・デフ(LSD)を備えたグレードが存在していました。
間もなくデフロックを装備したグレードも追加されます。
さらにはスーパーチャージャーモデル(2WD/4WD)も追加されるなど正に軽トラ全盛期。
(バブル前夜でもあり絶好調)
まだ第1次産業が元気だったせいか(林業は衰退しつつあったが)4WD車を中心としたラインナップでした。
しかも4WDは真面目に?シャコアゲ(車高を上げた状態)され、2WDとの差別化が図られていました。
左が4WD、右が2WD。
4WDはジムニー寄りのオフロードを意識した設計です。
シャコアゲによりアプローチアングルが大きく確保されています。
最低地上高はタイヤのインチアップによる20mmの違いのみですが、たかが20mmと侮れないのが作業道です。
林さんが8代目キャリイを選んだ理由は・・・、
副変速機付4WD+LSD(orデフロック)+シャコアゲ=林業最強軽トラ
だったからです。
ちなみに現行キャリイはと言うと、
(キャビンの大きいスーパーキャリイ)
(キャリイのOEM車スクラムトラックより)
衝突安全基準を満たしつつ最大限のアプローチアングルを確保。
今流行りのアゲトラに刺激されて、昔のようなちょい上げを復活してはもらえないだろうか・・・。
昭和大好き林さん
昭和の面影を残す8代目キャリイ。
ガラスレンズの角型ヘッドライト(シールドビーム)やシンプルなバンパーデザインが昭和です。
(間もなくシールドビームは生産終了となるらしい)
林さんお気に入りの一文字バンパーですが、平成元年のマイナーチェンジで変更されました。
さらに、懐かしい?フリーホイールバブもお気に入り。
パートタイム4WD車は、2WD走行時にハブをFREEモードにすると、パワーロスや騒音を抑えることができます。
4WD走行時には、いったん車外に出てハブをFREE⇒ROCKにしてからトランスファーの2WD⇒4WD操作を行います。
2WDに戻すときも、また車外に出てハブをROCK⇒FREEに。
頻繁にオンロード⇔オフロードを繰り返す林業の場合、このハブ操作が非常に面倒でして・・・、
結局、常時ROCKモードで走行(>_<)
8代目キャリイはこの問題の解決策として、車内から操作できる「オートフリーホイールバブ」を設定。
さらに「アクスルクラッチ」システムによるオートフリーホイール機構へと発展していきます。
でも林さんが選んだのは、最もシンプルな手動フリーホイールハブ。
超面倒くさいけど、壊れないので(;^_^A
機械任せにせず、自分で操作することが当たり前とされた時代。
アナログ・キャリイで昭和を懐かしむ林さん。
次回は、キャリイを1980年代にタイムスリップさせるという・・・?