フォレストリーダーの森さん、とてもいい人です。
仕事仲間から慕われ、きっちり丁寧な仕事で山林所有者さんからの信頼も厚い!
しかし、ハンドルを握ると人が変わります・・・。
そんな森さんにピッタリな車が、ホンダ・アクティートラックです。
「林道(本当は農道)のフェラーリ」と呼ばれる名車です。
リアルタイム(フルタイム)4WD
森さんのアクティーは2代目後期型(660㏄)平成6年式。
前期型の登場は昭和63年(1988年)
森さんが2代目アクティを選んだのは、師匠や超林業人たちの影響です。
研修期間に指導してくれた第1師匠は、排気量拡大後の660㏄角目ライトの中期型。
最初の班長(第2師匠)は、550㏄丸目ライトの前期型でした。
周りの超林業人の多くも、なぜかアクティ。
(バン・ワゴンタイプを含め)
新人の森さんにとっては、ちょっと意外だったそうで・・・。
というのも「フルタイム4WDは生活四駆で林業には向かない」と聞いていたので。
アクティのカタログによると、
「ビスカス・カップリング搭載リアルタイム4WD。
面倒な2WD⇔4WDの切り替え操作が、全く不要。
しかも登り坂、雪道、泥道など、刻々と変化する路面状況をクルマが判断し、駆動力を前・後輪にベスト配分」
(アクティバンのカタログより)
リアルタイム4WDにとって重要なビスカス・カップリング。
前・後輪の駆動を自動で配分し、前・後輪の回転差も調整するとのこと。
便利な反面・・・、
パートタイム式のように前・後輪は直結しないため「オフロードに弱い」と言われます。
しかし、林道で師匠たちのアクティについていけなかった森さん(スクラムバン・パートタイム式)
「リアルタイム4WD、強いやん!」
しかも、師匠のグレードは「SDX」、最強グレードは「ATTACK」
(4代目最終型アクティトラックカタログより)
杉山さんのジムニー(デフロック無し)林さんのキャリイ(LSD付き)とも互角に戦えます!
農(林)道のフェラーリ
フェラーリと同じMR(リアミッドシップエンジン+後輪駆動)のアクティ。
(4代目最終型アクティトラックカタログより)
とりわけ昭和の4WD軽トラの中で、アクティの走行性能は突出していました。
農道のフェラーリですからね!(^^)!
悪路も高速走行もこなし、軽積載(空荷)でも重積載でも安定走行。
軽トラの二刀流、オールラウンダーです。
昭和の軽トラは楽しいけど・・・
電子制御に変わる前のキャブレター車は、気持ちよく走ります。
トータルバランスに優れたアクティは、軽快で快適な走りです。
ただ、快適=楽しいとは限りません。
キャリイやジムニーは、快適とは程遠いけど運転は楽しいです。
アクティはキャブ車でありながら、エンジン始動もスムーズ。
アイドリングもすぐに安定します。
キャリイやジムニーとは大違い!
しかし、製造からかなり時間が経過し、さらに17万キロオーバーとなれば、いろいろ不具合が出てきます。
ブレーキの固着やオルタネーター、イグニッションスイッチの故障で走行不能になり入院。
救いは、最近の車のように前触れなく突然動かなくなることは少なく、徐々に症状が現れるため前もって対処できます。
チェンソーと同じく、音や振動から異常を感じ取ること、そして日常点検が大切!
手がかかるほど可愛い!
さよならアクティ
1999年(平成11年)にセミキャブボディーになり(3代目)
2009年(平成21年)に2代目と同じフルキャブボディーに戻ります(4代目)
残念ながら5代目アクティ誕生はならず、2021年4月に生産終了となってしましました。
最後まで4WDは、リアルタイム式が貫かれました。
だれでも乗れる4WD、何もせずしてあらゆる路面に対応できるリアルタイム4WD!
今なら、超林業人のみなさんがアクティを愛した理由がよくわかります。
さよならアクティ!
しかし、森さんはまだ気づいていません!
ジムニーを失った杉山さんが、密かにアクティを狙っていることを・・・。