新調した刈払機用ハーネスを装着して、下刈り再開の桧山さん。
より安全に作業できるようになったものの、ゼロリスクにはならない。
あとは保護具の着用で対応します。
しかし、リスクは刈払機以外にも・・・。
足もとガード
ひざ下をしっかりガードの桧山さん。
一昔前は・・・、
裸足!は、さすがに無理ですが・・・、
当時のスパイク地下足袋は、アッパーが布切れ一枚で刈刃に対しては裸足に等しい。
刈払機で足の指を3本失ってしまった人(FW研修同期生)も、足もとは地下足袋でした。
“おしゃれは足もとから”と言うそうですが、“安全・安心作業も足もとから”
特に、急傾斜地で切断工具や重量物を扱う林業では、自分に合った作業靴選びに苦慮します。
(詳しくはまた別の機会に)
最近では、安全地下足袋、安全スパイクシューズ、安全ブーツ等いろいろ選べる!
けど、値段を見て・・・(>_<)
安全にはそれなりのお金が・・・。
同じく、すね当ても立派なものになるとそれなりのお値段が(>_<)
新人の桧山さんには、森班長がいいのを買ってくれたようです!(^^)!
熱中症のリスクもあるため、すね当ては軽装バージョンと使い分けます。
これで安心と思いきや・・・、
エピペン(アドレナリン自己注射薬)
下刈り作業で最も厄介なのは、ハチ毒によるアナフィラキシー症状です。
ハチ刺されを防ぐには・・・、
ハチ用防護服を着用するしかない
が、これでは熱中症でぶっ倒れます。
(ちなみに、スズメバチの針は皮手袋を貫通します)
そこで林業(民有林)では、2003年(平成15年)にアナフィラキシー補助治療剤「エピペン」が認可されました。
(後に食物や薬物によるアナフィラキシーにも適用されます)
ハチ刺されの後、アナフィラキシーの症状が出たらエピペンを自己注射します。
桧山さんが“ドヤ顔”でいられるのは、練習用のエピペントレーナーを使用しているため。
指定の手順・場所にエピペントレーナーを押し付けると「カチッ」と音がします。
本物のエピペンであれば、この時中から針が飛び出してアドレナリン(当時はエピネフリン)が注射されます。
いざという時、パニックにならないためにも前もって手順と感覚を練習しておきます。
現在はモデルチェンジしたのか?見た目が大きく変わり、針の後処理なども不要になり、より扱いやすくなっています。
しかし、エピペンは医師の治療を受けるまでの時間稼ぎです。
「アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤」とあります(公式エピペンサイトより)
現場から最寄りの病院まで1時間以上かかる場合もあり、様子を見ていると手遅れになる場合も。
一度、スズメバチに頭を刺されたベテランが「気持ち悪い」と言い出したため、エピペンをスタンバイして直ぐ搬送。
約40分後に病院に到着すると・・・、
「40分経過していれば、アナフィラキシー症状は起こらないであろう」とのこと。
待合室で他の患者さんと一緒に順番待ちとなりました。
刺されたら直ちに搬送をはじめ、20~30分はアナフィラキシー発症を想定して病院に向かうのがベストではないかと。
職場でハチ刺されは毎年のことでしたが、幸いにもエピペンの出番はありませんでした。
何かとリスクが伴う下刈り作業。
無事に作業を終えた帰り道・・・、ほっとします。