高性能林業機械ー IHI・F801フォワーダ その1

スリーターのパイオニア「ホンダ・ストリーム」が、くねくねしながらカーブを曲がる様子を見た桧山さん。
「うちのフォワーダと一緒じゃん」(前回のお話)
フォワーダというのは林業で木材を運搬するための機械です。
ただ、桧山さんの言うくねくねフォワーダは欧州型「IHI・F801」のこと。
それ以外の国産型フォワーダは、くねくねダンスではなくツイストダンスします。
(例えが昭和過ぎて分からない)

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欧州製と国産フォワーダの違い


欧州型(くねくね型?)
なだらかな地形のヨーロッパでは、ホイール(タイヤ)タイプが主流。
走行性能に優れた林業専用設計です。車体もデカい!

(FWワーカー研修テキストより)

国産(ツイスト型?)
日本の山は急峻で軟弱地盤ゆえ、接地圧の低いクローラー(キャタピラ)タイプが主流。
グラップルローダを付けるかどうかは、前後工程で使用する機械によりけり(欧州型も同じ)

ゴムクローラー+専用足回りで、パワフル・スムーズな不整地走行に特化
小回りが利いて日本の狭い林道(2m~2.5m)急カーブに対応!
接地圧が低いため空積載ではフットワークが超軽快!
安易にワンハンドレバーに手をかけると・・・、

森班長のようにツイストダンスを始めます。
初めてフォワーダに乗った時、頭に浮かんだイメージです。

フォワーダは林業専用機ですが、ベース車両は建設・土木機械です。
ヨーロッパのように、林業のためだけに一から設計・製造された機械ではありません
日本の林業の産業規模が小さいゆえです・・・。
(最近のベースマシンは、見た目は建設機械と同じでも、中身は林業専用に設計変更され別物に近いものも)

林業専用設計「IHI・F801」


国内林業のために、2010年(平成22年)に国産初“欧州型フォワーダ”を開発・販売したIHIさん。
単なる欧州型のコピーではなく、日本の地形地盤に対応して後部にクローラーを採用してます。

F801は、
欧州型と国産を足して2で割った感じ。
両方のいいとこ取りと言うか・・・、
両者の弱点を補い合う感じ。

ホイールタイプは走行性能に優れ作業道を痛めないけど、軟弱地盤に弱い。
クローラータイプは軟弱地盤に強いけど、スピードが遅く、カーブ時の摩擦で作業道もクローラーも痛めてしまう。
そこで、前輪・ホイール/後部・クローラーとなったわけですが・・・、
大切なのはあの“くねくねダンス”です!
それは後半で!(^^)!

発売の翌年開催された「高性能林業機械研修会」でF801と初対面!
研修対象機種はF801のみで、実質的にはお披露目・試乗会のような雰囲気でした。
が、あいにくの雨(どしゃ降り)
その時と「林業機械展」での画像を使用するつもりが・・・、
データが壊れて取り出せなくなってました(>_<)

研修会の様子はこちらで高性能林業機械研修会(F801)のご報告(三重県)

ストリーム✕F801 くねくね機構


どちらもカーブでくねくねするのが特徴。
スリーターのストリームは、
カーブで前輪とシート部を内側にねじって倒す「ナイトハルト機構」

F801は、
方向変換のため車体中央を折り曲げる「アーティキュレート機構」

運転席のハンドル操作に合わせて、前輪ではなく車体がくの字に折れ曲がります(角度は最大45°)

アーティキュレート機構のメリットは、

路面にやさしい(荒らしにくい)

前出の研修会はどしゃ降りだったので、その点は確認済。
後部はクローラーのF801ですが、曲がる仕組みが国産型クローラーとは違うのです。
フォワーダは集材・運搬のために、あちこち走り回るのがお仕事。
雨の日など国産型フォワーダが通った後には、大きな轍があちこちにできて通勤車が走れないことも。
路面には優しいくねくねアーティキュレート機構ですが、一発で回れるカーブに限界があるのがデメリット(クラウンよりは小回りが利く)

運転しやすいこと

当然、運転感覚は自動車とは大きく異なるわけで、くねくねは和感ありありです!
(フォワーダの運転には、資格として「運転技能講習」や「特別教育」の受講が必要です)
しかし、内輪差がないという特徴をつかむとマスターできます。
大型車両でも、後部を意識して大回りしなくてよいのです!(^^)!
ストリームと同じくデファレンシャル機能でスムーズな旋回ができるそうです。

くねくね機構の良さは何となくお分かりいただけたかと。
もちろん、走行スピードが速いとか、丸太をたくさん運べるとか、運材・集材機械としてはトップクラスです。
しかし、それだけでは・・・。
実は、F801はお値段がかなりお高め(林業専用設計ですから)
F801は木材生産向上のための機械ですが、それだけではない・・・、
続きはその2で。

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