今日も元気なひーちゃん!伐開作業の必須アイテム“さし(ものさしのさし)棒”を手に準備体操?
ただの棒ですが、昔のスーパー林業人のみなさんは、若木の除伐木で作ったお気に入りの“マイさし棒”を持ってました。
ひーちゃんのさし棒は、とうもろこし由来のバイオプラスチック製です!
実は・・・、余った苗木保護ネットの支柱を流用!
さし棒にちょうどいい長さだったので!(^^)!
2メートル10センチ
高性能林業機械プロセッサの普及で手造材(チェンソーによる枝払い&玉切り)は減りましたので、伐開はひーちゃんにとっては造材を学ぶ良い機会。
立木を倒す作業も危険ですが、急峻な場所に横たわった伐倒木の造材もかなり危険。
油断すると事故につながります(今回はこの点はスルー)
ひーちゃんは森さんと二人一組で作業、先ずはさしの入れ方(採材)を学びます。
丸太の長さは、基本3m/4m/6mで、それぞれ順に柱材/梁・桁材/通し柱材であること、
その長さ(用途)ごとに設定された末口径があることを覚えます。
(境目となる16㎝[昔は14㎝]20㎝あたりを自分の掌で測れるようにします)
丸太材にはA材~D材までランクがあることも覚えます。
同じ木でも、採材の仕方によって価格が大きく変わってしまうため、丸太の価値を高める採材方法を学びます。
(曲がりや腐りの処理の仕方や歩留まりよく収める方法、市場の傾向など)
こればかりは覚えてどうのではなく・・・、センスの問題のようです。
ここでようやく登場するさし棒、2メートル10センチ!
この長さが一番扱いやすい(基準の3メートルを好む人も)
プラス10センチは、丸太につける余尺です。
木製のさし棒と違い、ひーちゃんのバイオプラスチック製は林内で目立つため見失うことがありません。
自分が使っていたアルミ製の伸縮窓ふきポールもよく目立ちますし、使い勝手も良かったです。
(上が2メートル10センチ、たたむと持ち運びやすい)
さしで検尺したところにチョークで印をつけ、チェンソーで玉切ります。
6メートル
これなら通し柱も一発で測れる!
いやいや・・・、6mは長すぎて取り扱いにかなり苦労します。
が、実際に6mのさし棒で採材したことがあります。
特殊なケースですが、地元小学校の体育館の建て替えに「スケルトン工法」が採用されたとかで、木材を提供することになりました。
(現在、検索でヒットするスケルトン工法とは別物です)
皮を剝いた丸太とジョイント金具で骨組みを造る工法で、しかも全部丸見えの状態になるとのこと。
材の長さが90㎝~6m弱の範囲(もちろん直材でほぼ真円)で数種類、それぞれに末口径が数種類あるためかなりややこしい。
プロセッサ造材なら何の問題もないのですが、丸太表面にキズが付くので手造材でというオーダー。
最初は輪尺とコンベックスを使って採材しましたが、効率が悪く作業が一向に進まない(>_<)
「全部のサイズを一本のさし棒にまとめてはどうか」と考え、伸縮窓ふきポール6mに印をつけて完成!
これで一気に作業が進み納期にも間に合いめでたしめでたし!
ところが、この話にはまだ続きがありまして・・・。
作業中に6mポールを重機に踏まれ、一段分長さが短くなったこと。
(三段あるうちの一段目をなくした状態、残りの二段も微妙に曲がってる)
さらに、特殊なスケルトン工法が災いしたようで、建設工事の入札が成立しなかったよう。結局、通常の工法に設計を変更。
キズ一つなく納品された丸太は製材され、内装材として使われたのでした。
あの苦労とポールの犠牲は何だったのか・・・。
スマート林業で
便利なプロセッサ造材も、手造材の経験がないと使いこなすのがなかなか難しいものです。
しかし、ひーちゃんがプロセッサのオペになるころには、AIによる自動採材になってるかもしれません。
となると経験もさし棒も無駄になるかもしれませんが・・・、
とにかく今は、売り上げに貢献すべく!伐倒木とにらめっこしながら採材に励むひーちゃんなのでした。