普段、F801フォワーダ(IHI建機⇒加藤製作所)に乗って仕事してるひーちゃん。
「国産初の欧州型フォワーダだぜ!」と自慢しまくっていたところ・・・、
とある方から「ひーちゃん、リョウシン号を知らないの!こっちが本当の第1号だよ」と教わり、
「ガーン!夏子パパのウソつきーっ」
(今回の内容は「IHI・F801フォワーダ その1」の訂正です)
国産初の欧州型フォワーダは及川自動車さんの「リョウシン号」
「はい・・・ごめんなさい」
間違いに気づいたのは、長年林業機械の設計に携わておられるIさんのおかげです。
なんとIさんは、1996年まで及川自動車に在籍され、リョウシン号の設計開発を担当しておられたお方!
そのご本人から「F801の前に及川自動車のフォワーダがあったことが伝われば」とのメールを頂いたのです。
間違いを指摘され恥ずかしいやら、価値ある初号機開発者の方からのメールに嬉しいやら・・・(うれしいが80)
お願いしたところ、快く貴重な資料もご提供頂けました。
ということで、今度こそ正真正銘の国産初の欧州型フォワーダ・・・、
及川自動車さんのフォワーダ「リョウシン号」をご紹介いたします。
1990年代のリョウシン号
個人的にもリョウシン号について調べましたが、ほとんど情報はありませんでした。
ただ、リョウシン号が誕生したのは1982年(昭和57年)ごろで、1号機は6輪駆動車だったことが判明。
リョウシン(と聞くと富山の薬CMを連想する)は「陵岑」と書くそうで、陵(大きな丘)岑(中国語で小高い山)に由来しているそう。
Iさんによると「一般的にはリョウシン号は一般の自動車と同じアッカーマンステアリングで、4輪もしくは6輪駆動の林内作業車を指すことが多いです」とのこと。
そして及川自動車では1990年代に、その“一般的”とは別タイプのリョウシン号を製造販売していたそうです。
それこそが“国産初の欧州型フォワーダ”だったのです!
アーティキュレートのタイヤ6輪駆動フォワーダRMF-6WD、
(最大積載量5トン、走行速度時速30キロ!)
4クローラのRMF-CA、RMF-CB、
(上のCAが最大積載量5トン、下のCBが3トン ジョイスティックレバーを装備)
ハーフクローラのRMF-CH。
(最大積載量3トン、走行速度12キロ)
欧州型のRMF-6WD、日本の地形地質に対応したRMF-CA/RMF-CB。
その中間(いいとこ取り)のRMF-CH。
はて?・・・この形、どこかで見たような・・・。
リョウシン号あってこそのIHI・F801フォワーダ
森林整備(切捨て間伐)にシフトしていた時代に、すでに誕生していた国産欧州型フォワーダ。
2000年代になって、木材の自給率をあげるべく木材利用にシフトチェンジするも・・・、
残念ながら、時代を先取りしていた及川自動車さんは力尽き倒産。
Iさんによると、
「IHI(現:加藤製作所)のF801は及川自動車倒産後、元社長がIHIに権利を譲渡並びに技術アドバイザーに就いたことで世に出た機械で後発となります」
確かに2010年に完成したIHI・F801には、国内林業に適した走行性能、オペレーターの安全性・快適性に配慮したキャビンなど、リョウシン号のノウハウが活かされています。
残念ながら、ひーちゃんのF801は国産初の欧州型フォワーダではありませんでしたが、F801の中に宿るリョウシン号の存在を知ってますます愛着が!
「Iさん、ありがとうございました」