たかがチェンソーと侮ることなかれ㉞ー遠心クラッチ

新人マーちゃん、プロフェッショナル・チェンソーを見るのも触るのも初めてのようで・・・、
「ねえひーちゃん エンジンかかると刃(ソーチェーン)がバァーって回るの・・・怖いよね」
「でしょ!自分も最初はびっくり・・・でも理由とか仕組みとか分かったら怖くないよ」
「だったらさっさと教えなさいよ!」
「チェンソーよりマーちゃんの方が怖いよ~」

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遠心クラッチ


エンジンがかかってクランクシャフトは回ってるのにソーチェーンは回らない!
当たり前だけど・・・よく考えると・・・これって不思議!(刈払機も同じ)
ひ:「遠心クラッチのおかげだよ」
そう言ってクラッチカバーを外し、エンジンをかけた状態のクラッチを見せるひーちゃん。
アウタークラッチ・チェンソーは遠心クラッチを観察できる貴重な存在かも?

(エンジンを止めて撮影してます)

ひ:「外側のお椀みたいのがクラッチドラム 内側で回ってるのが遠心クラッチだよ」
マ:「クラッチは回ってるのに・・・ドラムは回ってないね」
アイドリング状態の遠心クラッチは、クラッチシューがスプリングで押さえつけられ空回りしています。
(シャフトとの回転摩擦でドラムも供回りしますが軽く押さえると止まります)
エンジンの回転を上げるとクラッチに遠心力がかかり、シューがドラムに接触しソーチェーンが回り始めます。
チョークを使ってエンジンを始動すると、いきなり回転速度が上がるため「バァー」って刃が回るのです。
マ:「なるほど!」
ひ:「スプリングの仕組みにメーカーごとの工夫があってね」


(板バネタイプ)


(リング状のコイルスプリングタイプ、輪ゴムで束ねるようにシューを抑える)

ゼノア37シリーズのクラッチ・スプリングはごくまれに切れることがあり・・・、
ソーチェーンが回りっぱなしになります(>_<)
マ:「やばいね・・・それ」

「スクーターも遠心クラッチだよ」


マ:「ひーちゃん原付バイクに詳しいね!」
ひ:「いろいろ乗せられたもんでね・・・」

変速機構を持つ「ホンダ・スーパーカブ」も遠心クラッチを採用。
左手クラッチレバーを無くし、右手アクセルオフのタイミングで左足でシフトチェンジします。
出前(デリバリー)ではおかもちを左手で持つため、右手のみでハンドル操作できるよう工夫したそう。
ステップスルーや3輪スクーターの登場で、出前カブの出番はほぼなくなりましたが・・・。

そこへピカピカのスクラムバンでやってきた林さん。

林:「最新型のスクラムバン・バスター なんとCVTだよーん
ひ:「死ぬまでMT車に乗るって言ってたのに!裏切者ーっ!」
林:「車検の代車よ・・・CVTはチェンジもクラッチ操作もないから眠くなるよ」
マ:「これも遠心クラッチか?」
林:「なにそれ?」
(次回につづく)

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投稿者: natsukopapa2017

動物と昭和と軽キャン好きのイラストレーターです。 林業(フォレストマネージャー)をしていたためその関係のお仕事が中心です。