なっちゃんを連れた(あくまで妄想)タイムスリップ散歩の行先は「鉄鋼館」
太陽の塔のある「シンボルゾーン」から東へ延びる「東大通り」を進むと、右手に目指す建物が見えてきます。
目次
70年当時の名残を残す鉄鋼館周辺(東側エリア)
残念ながら、未来感を演出していた「動く歩道」は撤去されていますが、道や地形は当時のまま。
現在の東大通り(シンボルゾーン側から撮影)
当時の万博会場を模型と地図で再現。
今見てもワクワクする未来都市!(^^)!
(鉄鋼館・2Fペーパークラフト模型)
(1970年製作の公式ガイドマップより)
リニアモーターカーの話で登場した「日本館」は、鉄鋼館のすぐ目の前。
周りのパビリオンも魅力的で気になりますが、とりあえず鉄鋼館へ。
鉄鋼館は、万博閉幕後も残すことを前提に建設された、鉄骨・鉄筋コンクリート造りのしっかりした建物です。
ただ、大阪万博は“建物のオリンピック”と言われるほど、当時の技術を結集した本気の建物ばかり。一時の展示館にしては凝りすぎ(お金のかけ過ぎ?)
国家や企業の威信をかけて建てられたパビリオンからは、短期間で戦後復興を成し遂げた日本の勢いと、科学技術の進歩がもたらす明るい未来への期待が感じられます。
取り壊されるにもかかわらず“本気で建てられたパビリオンたち”に囲まれ、地味?な印象になってしまった鉄鋼館、
現在は・・・、
記念館「EXPO’70パビリオン」
時の経過を示すツタ(東の壁)がよく似合う外観。
アクセントのグリーン・ホワイト・オレンジのホーロー鉄板の色あせも、味があります。
さらに、
2016年完成の高さ123mの「オオサカホイール」と鉄鋼館、70年当時は高さ約68mの「虹の塔」が見えていたはず。
高さ約70mの太陽の塔と鉄鋼館。当時は「リコー館」の黄色のバルーンが右手に見えたはず。
そろそろ館内へ。
「ホステス」さん登場!
建物北面ガラス越しに、等身大パネルのホステスさん。
最近では、コンパニオンやアテンダントと呼ばれる案内・接客担当の女性のこと。
現在のホステスさんとは、言葉の意味が違うようです。
(サンヨー館など一部では、ホステスではなくコンパニオンと呼ばれていた)
パビリオンごとに制服は異なり、日本の着物から未来人(宇宙人?)のような装いまで様々。
さらに制服によっては、幾つものバリエーションがあり、合服と夏服(開催期間3月から9月)でデザインが異なるものもあったりとバラエティー豊か。
制服のデザインには、出展テーマに沿った意味があるので、
テーマ(展示内容)・パビリオン(建物)・ユニフォーム(制服)は三位一体です。
先ほどのパネルは「スイス館」のホステスさん、ここ鉄鋼館のホステスさんの制服は、
夏用ユニホーム(右は「鉄鋼館」のリーフレット)
厳密に言うと、服は昼用で帽子が夜用(鉄鋼館の制服は、昼と夜で変化!)
図鑑ではないので大目に見てください。
こっちは合服。
いずれも“鉄鋼”という“硬い”イメージを払拭してくれる制服ですね。
デザインは、有名なデザイナー、森英恵さん。
expo’70パビリオンでは、各パビリオンのホステスさんの写真に加え、制服(レプリカ)もローテーションで展示されています。
さらに、約3,000点もの資料や写真・映像により、館内は1970年にタイムスリップ!
見どころが多く、一度で網羅するのは難しいでしょう。
利用料金は、高校生以上が200円、ただし自然文化園の入園料が別途必要(大人250円)
鉄鋼館のテーマは「鉄の歌」
鉄鋼館は「世界に類のない音響施設を設置した立体音楽堂」として誕生したそうです。建物そのものが“楽器”であったという解説も。
立体音楽堂としての「スペースシアター」とエントランスホールの「ホワイエ」により、テーマ「鉄の歌」を表現。
「スペースシアター」
当時の最新技術を投入した音響施設だったそうです。
EXPO’70パビリオンの解説によると、スピーカーの数は天井、壁面、舞台、座席下など合わせて1008個。
SPACE THEATER=鉄鋼館というリーフレットでは、1300個のスピーカーとの説明が(サバを読んだのか?)
天井スピーカーは、高さを自在に調整可能。
音楽に加え、レーザー光線やスポットライト、座席下の4色ライトによる光の演出が行われたそうです。
ホール入場は不可、2Fのガラス越しの見学のみですが、当時の音響・演出を体験できます。
現在、大きなホールでは、大型スピーカーを天井一か所に集める“集中音源”方式が一般的。迫力はありますが、長時間聞くと疲れます。
スペースシアターは“分散”方式。ホームシアターのサテライトスピーカーのような立体感(臨場感)を楽しめたのでしょうか?
「ホワイエ」
建設現場で、鉄と鉄がぶつかり合うと“騒音”となり嫌がられます。
同じ鉄でも楽器となれば、心地よい音色となります。
ホワイエ(エントランスホール)に展示されていた音響(楽器)彫刻。
楽器は15種類あり、棒でたたいたり、指でひっかいたりすると、ファンタスティックな音が出たそうです。当時は、自由に演奏を楽しめた(現在は、見学のみ)
中央に見える柱は、「ペンジュラム」の名残。
鉄鋼館を出展したのは「日本鉄鋼連盟」
有名鉄鋼メーカーが名を連ねる日本鉄鋼連盟。
いかにもお堅い組織ですが、意外にも「鉄鋼を知る」というテーマで、鉄にまつわる身近な話題を扱ったサイトがあります⇒鉄鋼を知る(みんなの鉄学など)
このサイトでは、夏子さんと見た「明石海峡大橋」についての説明もあります。
1970年、大阪万博の年に架橋建設のための組織「本州四国連絡橋公団」が発足。
着工は1988年、完成は10年後の1998年、現在でも世界最長(3,911m)の吊り橋です。
この橋を支えているのが、新たに開発された1mm平方辺り180kgの強度を持つ鋼線とのこと。
使用されている鋼線(素線)は5.23mm、これを127本束ねたもの(ストランド)をさらに290本まとめて1本のケーブル(ワイヤーロープ)に形成。
このケーブル2本(73.660本の素線)で橋を支えている(ピンとこない?)
インフラや建物の素材としてはもちろん、身近な生活用品にも欠かせない鉄鋼。
鉄鋼館を出展したのは、日本の発展を“鉄”で支える人たちでした。
最後にスタンプを押して、鉄鋼館とお別れ。
次はどのパビリオンに行こう
次に目指すのは、
鯉のぼりが目印の「サンヨー館」です。
サンヨー館に行く方は⇒こちらから
「生命の樹」〈追記:1月21日〉
3月19日からの内部公開に向け、インターネットで一般予約が行われましたが、アクセス集中によりホームページがダウン。
48年ぶりの公開とあって、人気も高まっています。
雰囲気だけでも味わえれば良いという方は、「EXPO’70パビリオン」にも一部展示が行われているので予習がてら行かれてみては。
1Fには、
(展示内容は変更の可能性あり)
2F常設展示エリアには、「生命の樹」の模型が展示。