派手さはないけど、独特の外観で印象に残ったであろうパビリオン、
それが「サントリー館」
サントリー館の外観は、万博開催地となったここ千里丘陵が、竹の名所だったことと関係があるようです。
目次
竹をモチーフにしたパビリオン
ここが竹の群生地であったこと、竹が生命力の象徴であることから、竹を斜めに切ったような造形になったサントリー館。
(EXPO’70パビリオン展示物)
高さ37mの鉄筋コンクリート造。
壁はコンクリートの打ちっぱなしで色塗装はなし、シンプルな建物でした。
竹が関係するのは外観だけではなかったようです。
吹き抜けの「ホール」に展示された高さ12mのモニュメントも、古来の祝い事で神酒に飾られた竹製の装飾品「神酒口」をもとに作られたものでした。
(素材は竹ではなくステンレス)
「竹取物語」では、竹の中から登場するのは“かぐや姫”ですが、ここサントリー館からは・・・。
ホステスさん登場!
シンプルなパビリオンとは対照的、派手な色とデザインのユニホーム(合服)のホステスさん。
夏服はこんな感じ。
EXPO’70パビリオンにて展示(レプリカ)
ユニフォームの水色は、サントリー館の“テーマ”と関りがあるようです。
テーマは「生命(いのち)の水」
竹が象徴していた“生命力”、その源である“水”がサントリー館のテーマです。
パビリオンは生命力、ホステスさんのユニフォームは水を表現していました。
(「日本万国博覧会 パビリオン制服図鑑」によると、白は生命を表現していたと説明あり)
サントリーと水は、切っても切れない関係にあることはよくご存じかと。
パビリオンの地下には「セラー」があり、装飾としてウイスキー原酒樽が積み上げられていたそうです。
当時の記念品でしょうか?特製コースターにその様子がプリントされています。
手前に写る曲がりくねった水の流れは、平安時代の酒宴「曲水の宴」を現代風に再現したもの。
国産ウイスキーを製造していたサントリーらしい展示です。
パビリオンにあった原酒樽は単なるディスプレイですが、本物がこちら。
夏子さんを連れてサントリー白州蒸留所を訪れた時のものです。蒸留所の背景には甲斐駒ヶ岳、向かいには八ヶ岳が広がっています。
工場周辺は、まるで別荘地。
ここは万博の年からわずか3年後の1973年に開設されました。
上の画像には「1973」の仕込み年号の樽も写っています。
“生命の水”から長い時間をかけて作られるサントリーウイスキー、今では世界中から高い評価を得ています。
ここには天然水南アルプス白州工場も併設されています。
“生命の水”そのものを買って飲む時代になりました。
万博当時の1970年、上水道が整備された日本で「水を買う」ことなど考えもしなかったでしょうね。
現在は「水と生きるSUNTORY」のもと、日本各地で森林保全による水源涵養活動も行っています。
サントリーではありませんが、企業の地球温暖化防止やカーボン・オフセットに関する事業で、植林や間伐といった施業を手助けすることがありました。
週末に社員の家族を集めて、実際に育林作業を行う会社もあります。
もちろん保安林制度の下、林業事業体(森林組合など)が水源涵養を目的とした施業を数多く行っています。
(話がいろいろ飛びましたが)
ここまでは「ホール」にあった神酒口のモニュメント、
「セラー」にあったウイスキー原酒樽のデスプレイと曲水の再現について触れてきましたが、
サントリー館のメインは、150人を収容できる六面スクリーンの映画館「オーディトリウム」です。
人類と水の調和(=万博テーマ)を描いた映画「生命の水」が上演されたそうです。
内容は、水のもたらす恵みと災害が描かれたようですが、よく分からない・・・、すいません_(._.)_
サントリー館のあった場所は今
パビリオン配置図と万博記念公園(自然文化園)地図を重ねると、
サントリー館の側を流れていた「南のせせらぎ」は、様子が変わったものの「もみじ川」として残っています。
「ワコール・リッカーミシン館」側から見た、サントリー館の位置はこの辺り。
約半世紀の時を経て・・・、パビリオン出現!
スタンプを押してサントリー館とお別れです。
もう少しだけお付き合いを!
白州蒸留所で学ぶモルトウイスキーの製造工程
ここを訪れたのは、2013年の5月。
まず驚いたのは、駐車場の入り口で守衛さんから「ペットは乗っていますか?」と尋ねられたこと。
「はい」と答えると、車を日陰になりやすい場所へ誘導して下さいました(5月の連休)
あちこち夏子さんを連れまわしましたが、初めてのことでした。
さすが、サントリー!
無料・当日予約だった見学ツアーも、現在は有料(1,000円)かつ事前予約となりました。
見学の範囲は限られますが、無料コースもあります(事前予約は必要)
簡単にモルトウイスキーの製造工程をご紹介すると、
仕込み〈原料のモルト(大麦)と水を混ぜる〉
発酵
二度の蒸溜(初溜・再溜)
貯蔵・熟成
ヴァッティング(モルトウイスキーの完成)
(今はなき白州10年も)
夏子さんとサントリー
夏に生まれたので「夏子」と名付けたのですが、
1998年誕生の“なっちゃん”の影響を受けたことは否めない・・・。
コンビニやスーパーで“なっちゃん”を見つけると・・・、夏子さんを思い出します。
(白州蒸留所見学後の清里・清泉寮にて、ひとつのソフトクリームをひとりと2匹?で食べた)
次はどこ行こう
サントリー館のお隣「ガス・パビリオン」に行ってみようと思います。
「ガス・パビリオン」に行かれる方は⇒こちら
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