(プロソーとはプロフェショナル・チェンソーのこと)
桧山さんはチェンソー特別教育でスチールを手にした時から、マイチェンソーはスチールにすると決めたそうです。
以前、林業体験で目にしたゼノアより、形も色もかっこいいと思ったようで・・・。
しかし数か月後、現場で働く桧山さんが手にしていたチェンソーは・・・、
あこがれのスチールではなく、ゼノアでした。
選択の自由はあるけれど・・・
中型クラス(50㏄)以上は、スチール(ドイツ)やハスクバーナ(スウェーデン)が良いと昔からよく言われます。
日本製の小松ゼノア(現ハスクバーナゼノア)や新ダイワ・共立(現やまびこブランド)などは、小型クラス(30~40㏄)に強いとされてきました。
ハスクバーナ346xpとゼノアG3701、どちらも往年の名機。
この2台は旧世代チェンソーですが、今でも根強い人気があります。
プロが何を基準にチェンソーメーカーを選んでいるかと言えば・・・、
ほとんどの場合、成り行きです。
というのも勤め先の事業体がどこと提携しているか、先輩がどの機種を使っているかによりけりなのです。
桧山さんの場合、森さんや林さんがスチールユーザーなら希望がかなったのですが、残念ながら“ゼノアG37系”でした。
チームで機種・規格を統一しておくと、古くなったチェンソーを部品取りとしてストックしたり、消耗品(ガイドバー、ソーチェーンなど)も共用できます。
新人さんは、あちこち壊すので先輩からタダでもらえる部品は非常にありがたい!(給料も少ないし)
郷に入っては郷に従え・・・、が無難⁉
林業はひとりでは行えない共同作業、チームで同じチェンソーを使うのもその表れではないかと。
みんなで変えれば怖くない?
チェンソーのモデルチェンジスパンは非常に長く、前出の2機種はロングセラーチェンソーでした。
言い換えれば、革新的な進歩はこれまであまりなかったとも言えます。
そのため、おのずと同機種の買い換えを繰り返し、あえて変更するメリットはありませんでした。
しかしここ数年で各メーカ共に新技術を投入した新世代チェンソーを開発。
このタイミングで、次の買い替えから徐々に入れ替えるのもよいのでは。
チーム森みんなでスチールに入れ替えれば、桧山さんの夢がかなうかも!
また樹木の成長も機種を見直すタイミングの一つになります。
木は丈が伸び、幹は太くなっていきます。
それに応じたソーチェーンの変更やチェンソーの大型化を考えます。
職場でソーチェーンの規格を25APから95VPへ変更しないかと提案しましたが、軽くスルーされ断念。
結局、危険なチェンソー作業においては長年使い慣れたものが一番ということか・・・。
その一方で伐出作業による機械化・分業化により、各々自分の作業に適したチェンソーを持つ傾向も見られます。
ホームセンターものとは別物、プロソー(林業用)
ぱっと見はプロ仕様もアマチュア仕様も同じように見えるチェンソー。
違いはその中身、本体の出力と耐久性。
簡単にプロ/アマ仕様を見分ける方法があります。
チェンソーを真正面から見て、マフラー下のクランクケースを確認。
最も振動が激しく、エンジンOFFにしないと「さようなら~」のあれです!
その素材がプラスチック製ならアマチュアソー、
アルミダイキャスト製ならプロソーです。
チェンソーの性能を支える重要な部品です。
ホームセンターものは、プラスチック製のクランクケースです。
価格帯は3万円前後ですが、庭木の手入れや薪割り作業用としては十分です。
危険と隣り合わせの林業では、信頼性の高いプロソーでないと安全・安心な作業はできません。
(林業用プロソーの価格帯は10~15万円とかなりお高め)
伐木作業で最悪のチェンソートラブルは、クランクケースの破損です。
伐倒木の下敷きになったりすると、丈夫な金属製のクランクケースといえども割れたりヒビが入ります。
要交換となった場合の修理が最も高くつきます。
ケースは左右に分割できる構造ですが、片側だけで部品代2万5千円+修理費で合計5万円(ゼノア/新ダイワ小型クラス)
仮にケース両側が破損すると修理費は7万5千円!(おそらく新品に買い替えです)
出費を考えるとかなりへこみますが、人が下敷きになるよりはよかった・・・、と前向きにとらえ受け入れるしかありません。
取り扱い注意という点ではプロソーもアマチュアソーも同じですので、十分ご注意を!
プロが使用しているメーカーのアマチュアソーは扱いやすくお勧めです。