小柄で筋肉質の杉山さん、戦闘機のパイロット向き(らしい)
パイロットならぬオペレーター(重機オペ)として優秀な杉山さんですが・・・、
ご本人は「体を動かす仕事が好き」(らしい)
そんな杉山さんがこだわる道具は・・・、繊維ロープです。
こだわりその1・ロープの長さ
大柄な桧山さん、その高さを生かして無理やり⁉重心を起こして伐倒方向へ押し込みます。
かかり木も強引に押し込みます。
小柄な杉山さんには、ちょっと無理(>_<)
しかし、この方法が通用するのは直径(根元)30㎝程度まで。
立木の重心が、伐倒方向と大きく異なる場合も歯が立ちません。
(電線・道側に傾いているため伐られることになった、イチョウと松の木)
そこで、繊維ロープ(以下ロープ)の出番です。
ロープを高い位置にかけ、てこの原理を使って引き込みます。
便利アイテムであるとともに、かかり木に遠隔で対応できるという点で安全アイテムでもあります。
ロープのかけ方には、シングルとダブルの2通り。
それぞれに、メリットデメリットがあります。
基本的にはダブル派の杉山さん、ロープがかさばらないよう必要最低限の長さを試行錯誤・・・、
結果、8メートル(±1m)
ただ、かかり木が発生しやすい現場では、太く長めのロープでアプローチします。
ロープをなるべく高い位置にかけるのですが・・・、
先ほどのイチョウ・松の木は、枝を伝ってよっコラショと結構大変!
長め(15mぐらい)のロープ2本をシングルでかけます。
それをV字方向に大人数で「オーエス!オーエス!」(自治会の出会い作業)
(わかりにくいですが、2本目の松の木も登ってます)
対して、スギ・ヒノキの場合はいたって簡単!
下枝が少ない(枝打ちor枯れ落ち)ため、下からロープを操って上げていきます。
コツさえつかめば、手首の返し程度の軽いアクションでロープを操れるようになります。
ちょっと、インディージョーンズの気分でストレス発散!
ただ、日常生活でこのテクニックを生かせないのが残念。
こだわりその2・ロープの種類
目的・用途に合わせていろいろ選べるロープ。と言うか、選ばないといけないロープ。
林業では、多種多様なロープを使用。
丈夫で対候性のあるロープを選びます。
ロープの素材、編み方、強度、伸び率を理解しつつ使い分けます。
木にぶら下がってチェンソー作業をする際の、スタティックロープ(A)やクライミングロープ。
リードロープとして、重機のウインチ(エンドレスシーブ)で使用する、クレモナロープ(B)
一般的な3打ちロープで、使い道はいろいろ(C)
獣害対策用網のナイロンロープ(D)や標識ロープ(E)
ワイヤーロープの代わりにウインチドラムで使用する、林業集材用繊維ロープなども。
杉山さんが手にしていた黒いロープは、スタティックロープと同じカーンマントルタイプのレスキューロープです。
(補助ロープで命綱としては使えません)
色々試した結果、このロープが伐倒けん引用としてベストだったようで。
滑らず手になじみ、丁度良い太さ・重さ・伸び率・しなりのロープは、なかなか見つからないのです。
加えて、いくつか結び方を覚えると本格的なロープワークが実現!林業でもアウトドアでも大いに役立つ!
次回は、役立つロープの結び方について!(^^)!