自分用の刈払機を購入することになった桧山さん。
チェンソーと違ってトラブル(故障・破損)が少ないため、チームでメーカー・機種を統一する必要はありません。
ゼノア・新ダイワ・共立・スチールなど選び放題!
先輩に相談せずに・・・、新ダイワさんの肩掛け式Uハンドルに決めちゃった。
果たしてそれで良かったのか・・・、
肩掛け式Uハンドル
Uハンドルについて、杉山さんが解説してくれます。
Uハンドルは、肩掛けバンドで本体を吊った状態でハンドル操作。
腕にかかる負担や振動が軽減され、長時間作業でも体は楽です。
正しく扱えばUハンドルが一番安全です。
一般的な草刈機・刈払機はこのタイプです。
(20年前のカジュアル草刈機、リョービ製)
Uハンドルの場合、肩掛けバンドはうっとうしいから使わないは不可!
3点支持(吊りバンド・右手・左手)でないとコントロールできないのです。
左右の横振りは腰を使い、前後・上下は自身の移動が必要。
腕(上半身)をあまり使わないため、常に刈刃と体の安全距離が保てるのです。
林業でも、安全なUハンドルが推奨されています。
特に腰バンド付き肩掛けバンドの使用を呼び掛けています。
腰バンド付きを着用すると・・・、
操作棹が腰位置で固定されるため、回転刃が体に接触しません。
斜面での転倒・転落時の安全性が向上します。
(固定は緊急離脱装置を使えば一瞬で解除できます)
ただし、操作性はさらに制約されることになります。
ところで、Uハンドルで下刈りに臨んだ桧山さん・・・、
他のメンバーに全くついていけません。
チームリーダーの林さんはツーグリップ、先輩の林さんは背負い式で下草を刈りまくっています。
肩掛け式ツーグリップ
ツーグリップについての解説は森さん。
カテゴリーはUハンドルと同じ肩掛け式ですが、使い方は異なります。
ツーグリップは、2点支持(右手・左手)で操作可能、肩掛けバンドは補助的な存在です。
(取説には、必ず肩掛けバンドやハーネスを使用とあります)
特に下刈りは、苗を残して周りの草だけを刈るわけですから、細心の注意とコントロールが求められます。
夏場の高温多湿の環境+急峻な地形では、小回りの利かないUハンドルは体力を消耗します(Uハンドルでは対応できない現場もあり)
両手で自在に操れるツーグリップ(&ループハンドル)は下刈り向きです。
しかし、上半身だけに頼った操作になりがちで、注意が必要。
特に棒状のツーグリップは、握り方次第でにょい棒のごとく振り回したり(ダメです!)レレレのおじさんのごとく掃いたり(危険です!)できちゃう。
ツーグリップで足元の草を刈るときにやってしまう危険行為。
この時キックバックを起こすと、もろに自分の足に刈刃が当たります!
Uハンドルでは、こんなこと絶対にできません(だから安全!)
楽しようと、上半身だけでツーグリップを振り回してはいけません!
そこで森さんは、安全のため固定式スロットルからトリガー式スロットルにカスタマイズしました。
この固定式+トリガーのハイブリッド方式が登場し始めたのは、2000年代初め頃。
グリップにスロットル操作が加わるため、先ほどのような変則的な使い方がしにくくなります。
加えて、Uハンドルの腰バンドが使えないツーグリップは・・・、
(こういう役はたいてい林さんに押し付けられる)
固定式スロットルの場合、転落によるケガは大したことなかったのに、後から転がってきた刈払機の回転刃に当たって大けがをした、という事故例もあるのです。
現在の草刈機・刈払機は安全なトリガー式が採用されているようです。
転倒時の衝撃をセンサーが感知し、ブレーキで回転刃を止めるタイプもあります(やまびこグループ・共立さん)
背負い式
林さんの出番!
背負い式にUハンドル仕様はありません。林さんのはループハンドルになります。
背負い式を選択する主な理由は「楽ちんだから」
使っている人はたいてい・・・、
腰痛持ちです(個人の経験範囲での意見です)
林さんのモデルは、ゼノアさんの「くるくるカッター」というシリーズで、エンジン部が回転するため操作棹の扱いが自在。
つまり、左手側で操作ができる!
(反転画像ゆえエンジンとフレキシャフトの位置が上下逆)
場所に応じての使い分け、手がしびれてきたから持ち替えなど便利な機能。
肩掛け式でもできますが、マフラーが自分の側にくるため熱い(>_<)
肩掛け式ループハンドル
結局、桧山さんのUハンドルはループハンドルに改造しました。
まだ新人ということで、ツーグリップは選択肢から除外。
さらに、上半身だけで扱わないよう肩掛けバンドをハーネスに変更。
刈払機の持ち上げ範囲を制限して、足元を刈刃から守ります。
ついでにトリガー式スロットルを林さんと同じくゼノア製に変更しました。
当時の新ダイワ製のトリガー式は、安全にこだわりすぎてちょっと使いにくかったのです。
(取説より)
セーフティーレーバーがちょっと邪魔、安全装置の安全装置みたいな。
移植には少しだけ加工が必要です。
スロットルのインナーワイヤーの長さを合わせるため、アウターチューブを少しカットします。
中のワイヤーを傷つけないよう注意します。
スロットルワイヤーの加工ができれば後は簡単!です。
(現在は新ダイワ製トリガー式スロットルも同じ構造!改造の必要なし!)
最後は、桧山さんの考案した肩掛け式マルチハンドルです!
基本はUハンドル、急斜面では臨機応変にループハンドル・ツーグリップを使用!
桧山さんは、愛車アトレー(オールタイム4WD)のような多機能ものが大好きです。
実用性は???