野鳥のヒナを拾わないで

動物病院に掲示されていたこのポスターを見て、20年近く昔の出来事、あるスズメの家族を思い出しました。

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ヒナ発見!


夕方、まだ明るいうちに帰宅すると、裏庭からヒナの鳴き声が。
裏庭に行くとスズメのヒナが地面に落ちて鳴いていました。
あと少しで飛べそうな大きさの可愛いヒナ。親スズメの姿はありませんでしたが、隣の家の屋根でスズメが鳴いているのは分かりました。

間違いの始まり“ヒナの保護”


家にはネコがおり、隣の家にも飼いネコがいます。野良ネコもいます。
“このままではまずい”と考え、とりあえず家の中に保護。

ヒナは元気でケガしている様子はありませんでした。すぐ鳥を扱っているペットショップへ行き、どうすべきか相談しました。
店主は「野鳥のヒナを飼うのは無理」
「餌を食べなければ1日しか持たない」と。

子供の頃、学校帰りに拾ったスズメのヒナは、確かに1日で死んでしまいました。当時飼っていたヒヨコのようにはいかなかった。
とりあえず、鳥かごとヒナの餌を買って帰りました。案の定、ヒナは餌を食べませんでした。元気なうちに食べないと、この子も明日には死んでしまう。

間違いに気づく


翌朝、食べていない割にヒナは元気で、とりあえず一安心。
仕事に出かけその昼だったのか、夕方だったのか記憶は曖昧ですが、家に戻ると窓の外に向かってヒナが鳴いている。
窓は昔ながらの柄ガラスでヒナから外の様子は見えていないはず。でも、何かに反応している。
近づいてみると、何やら外が騒がしい。

窓を開けると!


という光景。(実際には、もっと大勢いました)
あえてセリフを付けると、


ヒナの声を聞きつけスズメの家族が迎えに来たのか?
明らかに互いを理解し、会話している、今なら群れに戻せるかも?

すぐ蓋を開け鳥かごを窓際へ、するとヒナは自分で群れの方へ飛び出した。でも塀の高さまで飛ぶことはできず地面に落下。
すると、右手にいた2羽のスズメがすかさずヒナの元に駆けつけ、寄り添いました。
恐らく、お父さんとお母さんスズメ。再会したヒナの無事を確認すると、親スズメはヒナを連れて西の方向へ飛び去り、塀にずらりと並んでいた群れも後を追って飛び去りました・・・

あとに残されたのは、新品の鳥かごと、強い罪悪感・・・ヒナと親スズメに悪いことをしたと。
そして、安堵感と感動・・・スズメの親子愛、家族愛。

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どうすべきだったのか?


日本野鳥の会「ヒナとの関わり方がわかるハンドブック」によると、
カラスやネコに襲われそうな場合“ヒナを近くのしげみの中においておきましょう”
とあります。
奈良県のホームページ(鳥獣対策係)には、“近くの木の枝先などネコが近づけない所に、カップ麺などの空き容器に入れて置いておきましょう”とあります。

他にも、じっとしていて動かない、ケガをしている場合=各都道府県の鳥獣保護担当部署に連絡し指示に従うこと。
自治体の連絡先はこちら
元気そうな(動ける、よく鳴く)ヒナに対しては=近よらずに、はなれるように。人がヒナの近くにいると、親鳥が警戒して近づけないから。
自然の仕組みが簡単に説明され、その中でどうするのがよいのか考えるよう勧められています。子供向けに分かりやすく説明されています。
⇒野鳥の子そだて応援(ヒナを拾わないで)キャンペーン

スズメの親子を見て、野鳥が群れで支え合って厳しい自然の中で生きていることを実感しました。野鳥の親子を応援する意味でも、ヒナを見付けても決して連れ帰らないようにしましょう。
冒頭のポスターは、野鳥の子育て応援(ヒナをひろわないで)キャンペーンを紹介するものでした。

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投稿者: natsukopapa2017

動物と昭和と軽キャン好きのイラストレーターです。 林業(フォレストマネージャー)をしていたためその関係のお仕事が中心です。