VS.クサビなんて書くと、クサビが悪者のような印象を与えてしまいますが、それは違います!
日々、桧山さんたちに“ガンガン”たたかれても・・・、
チェンソーに恩を仇で返すようなまねをされても・・・、
文句を言うことなくお仕事してくれます。
彼らがいないと、安全かつ正確な伐倒作業を行うことはできません!
ただ、たたかれるクサビも気の毒ですが・・・、
たたく側も、これまた結構な体力仕事でして(>_<)
クサビのお仕事
立木を伐倒する際に「倒れたがっている方向に自由に倒してよい」となれば、クサビは“失業”です。
が、ほとんどの場合、立木の倒れたい方向と伐倒方向が一致しないため、クサビのお仕事は安泰です。
クサビは追い口側から打ち込まれ、徐々に伐倒方向へと立木を起こしていきます。
(打ち込みやすいように中央がくぼんでいる。片面にのみ突起が配置されたり、溝が設けられたりとただのプラスチックの塊ではない!)
この時、チェンソーガイドバーが詰められないようスペーサーの役目も果たします。
ところがこのスペーサー役、誤ってチェンソーで切られることもしばしば。
まさに恩を仇で返すとはこのこと?
(先端部が欠けたり削れたクサビは使い勝手が悪くなるため、かなり凹みます)
しかし、クサビが最もダメージを受けるのは・・・、
やっぱり「ガンガン・ボコボコ」たたかれることです。
たたく側のお仕事
たたき方にもそれなりのコツがあるため、桧山さんのような新人さんのクサビはあっという間に寿命を迎えます。
基本は水平!
傾斜地で正確で安全な伐倒作業を行うためには、水平感覚が重要!
伐倒後の切り株を見ると、自分の水平感覚にズレがないかをチェックできます。
クサビを正確に打ち込むためには、まず追い口を水平に切ることが必要。
追い口がいがむとクサビは斜めの状態で打ち込まれることになり、打撃のたびに余計なダメージが加わります。
ハンマー派orアックス派
桧山さんのような新人さんは、ハンマーが無難。
ハンマーは打ち込みに特化した道具なので!(^^)!
(クサビのお尻にも優しい!)
ただし、ナタか手ノコも携帯することになり腰道具が増えるのがちょっと厄介。
アックスは、打ち込み作業ではハンマーにはやや劣りますが、刃物兼用であることが大きなメリット。
クサビの使い分けとタイミング
「大は小を兼ねる」はクサビには通用しません!
細いすき間にいきなり大クサビを打ち込んでも跳ね返されます。
ある程度打ち込んだクサビでも、立木の重さに耐えかね打撃の衝撃により摩擦を失い飛び出してくることも。
なので、立木の大きさに応じてクサビの数を増やして荷重を分散させます。
風などにより立木が大きく揺れる場合も同じことが起こるため、打ち込みのタイミングを計ることが必要。
逆方向に大きく押し戻されると、追い口が閉じクサビに大きな荷重がかかることに。
反面、伐倒方向に押されるタイミングを見計らって打ち込みを行うと楽!(^^)!
たたくのはしんどいので・・・
クサビの打ち込みは、正味体力仕事なのでしんどい(>_<)
次回は、油圧や電気の力を借りて楽をしようというお話です。
ここ最近は、いかに楽をするか(労働負荷の軽減)が、チーム森の優先課題です。