「マルチプライヤー」のお話から、林業のことなら何でもお任せ「マルチプレイヤー」を目指すことになった桧山さん。
未経験の「造林・育林」にもどんどん挑戦!(^^)!
今回、リーダーの森さんから渡されたニューアイテムは「トグワ(唐鍬)」
クワ=農作業というイメージですが・・・、
林業ではチェンソーはもちろん“トグワの達人!”でなければ、森さん林さんのようなマルチプレイヤーにはなれません!
トグワに関しては、ほかに[植林編]と[焚火編]を予定しています。
山仕事の基本は「道」
育林・保育作業未経験の桧山さん、山歩きに慣れてません(>_<)
「歩道」と「けもの道」の見分けがまだ・・・、マジで遭難します。
「登山道」や電力・通信関係の「保守・点検道」は定期的にメンテナンスされるため比較的分かりやすいのですが、林業で使う歩道は人が通らなくなると草木に覆われ行方不明に!
現場までの通い道、現場内の作業道、これらがないと仕事になりません。
森さんが切捨て間伐の現場で最初に行うことは、道(またはその痕跡)の確認!
桧山さんには分からない痕跡も、先輩たちはすぐに「これ道やね」と見つけていきます。
伐倒木で道をふさいでしまわないよう、みんなでルートを確認し共有します。
道にかかった穂先や幹部分は除去、きれいに道をあけます。
だれかが不注意でふさいでしまうと、そこで道が途切れみんなの努力が台無しです!
たまに道の痕跡すら見つからないこともありますが、その場合は歩きやすいルートを道として仮設します。
森さんが、そこまで道にこだわる理由は⁇
「せっかくきれいに間伐(整備)した林内を、森林所有者さんにも隅々まで見てほしい」から。
もちろん、次回(数年後)の間伐作業のためでもあります。
一方で、ブラックな業者は手抜き施業を隠すため、あえて道をふさいだそうです(昔の話として聞いた)
道に対する意識は、仕事に対するプライド・取り組みを表わす一種のバロメーター!ですね。
歩道の開設に挑戦!
桧山さんも自分で歩道を開設してみれば、道に迷うこともなくなるのでは。
そこへ、タイミングよく道付けの依頼が!(^^)!
「山の手入れをしたいので、道を付けてくれ」と。
(たいていは皆伐後の地開け[地拵え]の後に道を付けるのが一般的です)
始点と終点、大まかな距離を指定されるだけであとはお任せ。
リーダー森さんは、山の境界が分かる等高線図を見ながら線形をイメージ。
先行して現地調査をしながらルートを決めていきます。
ベテランの林さんは、低木や雑木の伐開をしながらルートを確定していきます。
杉山さんは、桧山さんに道の作り方を伝授しながらの作業です。
掘り出しは全員5m間隔で始め、前の人の付けた道とつながったらみんなを飛び越えて先頭の5m先から掘り続けます。
基本は法面側を削って道幅50~60㎝を確保。
残木で路肩補強すると手っ取り早いのですが、数年後には朽ちて路肩が崩れるため森さんはめったにしません。
(イラスト・杉山さんの足元部分)
トグワで石を掘り起こしたり伐根(これが大変)しながら進みます。
滑石もスパイクが滑るので掘り出し、路肩の補強などに利用。
引っかけて転倒しそうな根っこはノコ・ナタで除去。
(道付けにノコ・ナタは必ず携帯、ナタは刃こぼれするのでボロでよい)
歩道の入れ方を学んだ桧山さん、山歩きのコツをつかめたでしょうか・・・。
道に迷うかどうかは別として、桧山さんにある変化が!
歩道のメンテナンス
先輩たちが杖を持って歩く様子を見て「かっこ悪い」と思ってた桧山さん。
道付けを経験して、その本当の意味を理解した様子。
「腰やひざが痛いとかじゃないんだ・・・」(それもないことはない)
しばらく放置された歩道には枯れ枝・落石などが積もり歩きにくい状態に。
いずれ道がどこにあるのか分からなくなる(>_<)
現場の行き帰りに、杖で足元の障害物を少しずつ払っておけば、最終日には“テンテン(スッキリ)”状態に!
苦労して開設した歩道を維持するには、できるときにできる人がメンテナンスしておくことが大事。
桧山さんもマイ・杖を調達!(^^)!
手頃なヒノキの枝に、ビニールテープを巻きストラップ紐を通しただけ。
(目立つ色のテープを巻いておけば林内でなくさない)
すると森さん・林さんがニッコリしながら・・・、
「ひーちゃんはいつものように先頭を歩いてくれるだけでいいんだよ」
「クモの巣払いが背の高いひーちゃんの役割なんよ」
いつも先頭を歩かされる理由を知ったひーちゃん。
「・・・、了解です」