かかり木処理第3弾は“回転”
これまで“押し”と“引き”を無理くり大井川鐡道さんと結び付けた流れで、
今回の“回転”も・・・、
SL(蒸気機関車)を回転!
大井川鐡道本線区間で活躍する数々のSL!
平成23年10月まで、千頭から金谷に向かう列車は・・・、
SLがバック走行で客車を牽引!
理由は、機関車を回す(向きを変える)ための「転車台(ターンテーブル)」が、千頭駅にはあって金谷側になかったから。
(平成22年5月撮影:千頭側の転車台、金谷側になかったため出番なしだったころ)
SLに顔(向き)があるゆえの転換です(向きのない電気機関車などは不要)
平成23年に新金谷駅構内に転車台が完成したことにより、常に顔見せ(前向き)走行となりました。
鉄コス中の桧山さん、向きを変えるだけ(半回転)でよいのに・・・、
腕をグルグル回し過ぎです。
かかり木を回転!
SLに比べれば軽い!かかり木。
とは言え、危険度はSL級!
(胸高直径20センチ以上のかかり木処理には牽引具等を使用「かかり木処理ガイドライン」)
かかり木を外す際も、回すのはだいたい半回転と言ったところ。
半回転で外れないかかり木を何回回しても無駄です(空転状態)
ただ単に“回転させればよい”というものではないのです。
かかり木とかかられた木の双方の枝を、ギヤ(歯車)のようにかみ合わせて回転させるのがコツです。
つまり、理想はかかり木を発生させないことですが、後で簡単に!(安全に!)処理できるかけ方を伐倒時に想定しておきます。
かかり木処理を想定した伐倒??
詳しくは次回のお話と言うことで!(^^)!
回転道具その1:ターニングストラップ
携帯性の良さではナンバーワン!
軽くてコンパクト!てこ棒は要現地調達。
てこ棒を引っかけるアイの位置から逆算してスパイクをセットします。
注意点は、
てこ棒は押して回す+かかり木の下に回り込まない
これは、ターニングストラップに限らず、すべての木回し作業に共通します。
引きつけた方が、体重をかけ力を入れやすいのですが、かかり木の下に回り込んでしまうため危険です。
回転道具その2:フェリングレバー
使い勝手の良さではピカイチ!なフェリングレバー。
木回し以外にも、クサビやリフトとしての使い道もあって便利!
てこ棒を使えば、さらにパワーアップ!
注意点はターニングストラップと同じ。
強いて言えば、フック部金具のボルトの緩みがないかを定期的にチェックすること。
使用時に金具が外れ、斜面を転がり落ちていく人を見たことがあります(>_<)
押して・引いて・回して・・・、
かかり木処理道具(ロープ・フェリングレバーなど)を携帯することを「かっこ悪い」「面倒くさい」と感じる人もいるようです。
意外にも?桧山さんのような新人さんほど格好を気にするようです(個人的な観察ですが)
しかしベテランからすると「SLがバック走行してるみたいで・・・」かっこ悪いのです。
「せっかく転車台(かかり木処理道具)があるなら使えよ・・・」みたいな。
そもそも、押し・引き・回しで処理できるかかり木はかかりが浅い。
かかりの浅いかかり木を「かかり木禁止事項」で処理すると、リスクを増すだけです。
(事故の多くはこのパータンで起きている気がします)
かかりの程度を見極めるためにも、押し・引き・回しは基本中の基本!
外せるものはショートカットせず基本に忠実に!
外せないものは、それなりの道具を使用して・・・、
(現場経験者はこの先いろいろやましいことが・・・あるかも・・・)
近々、かかり木処理に特化した技術本が「全国林業改良普及協会」から発行されます。
イラストのお仕事を頂いたのである程度の内容は把握していますが、詳細は自分もまだ知りません。
現場のベテランさんのノウハウや有効な道具も紹介されてますので、参考になります。
どうぞお楽しみに!
無料ダウンロード版として完成しました!
こちら⇒かかり木処理テキストー作業の基本と現場の工夫
では、本日もご安全に!