今の時代、自動車はボタン一つで“ブルン”とエンジンがかかりますが、チェンソーの場合エンジンスイッチを入れても“しーん”何の変化なし!
さらに力と愛情をかけないと?エンジンはかかりません。
今では考えられないかもしれませんが、ちょっと昔(40年ぐらい前?)の車やバイクもそうでした。
“たかがエンジン始動”と侮ると、痛い目にあいます!
今回は、先輩林さんが桧山さんにエンジン始動について指導します!
エンジン始動は力業
“エンジンをかけるのは一苦労”
我々世代にそんなイメージを植え付けたのは・・・、
セル(モーター)がなかった時代の原付バイクです。
全体重を乗せてキックを思いっきり踏み込んでも、かからないときはかからない。
(桧山さんと同じ“初心者マーク”のN君の母上様が再びご登場、キック操作中)
今でもセルが付かないチェンソー、それなりの腕力が必要!?かと思いきや、
最近のプロフェショナルチェンソーは、軽い力でスターター操作ができるよう工夫されています。
(プライマリーポンプやデコンプバルブといった装置を含め)
それでもチェンソーは危険な工具なので、スターター操作には注意が必要。
林さんがまず教えるのは、安全な操作の仕方です。
周囲の安全をも確認しつつ、
山林では安定した場所がないため、やってしまいがちな“落としがけ”
しかし、この方法は危険なので禁止されています。
エンジンがかかった直後に、ソーチェーンも勢いよく回転するためです。
なので、林さんは別の方法を桧山さんに指導しお手本を見せます。
エンジン始動は愛情?
先ずは安全なエンジンのかけ方を学んだ桧山さんですが、次に学ぶのは技術的なこと。
例えば“チョーク”について。
メーカーごとに操作に違いはあれど、チョーク機能は同じ。
(青いのがチョークノブ、赤いのがエンジンスイッチ)
(画面上の黒いのがチョークノブ、中央にチョーク弁、下にエンジンスイッチ)
前出のように車からチョークが消えたため、その役割を知る機会がなくなりました。
チョークは冷えたエンジンに燃料をたくさん送り込んで点火しやすくするものです。
チョークやキャブレターなど燃料系に加え、プラグなど電気系についての知識も必要。
また、山林で使用するチェンソーは、気温や天候の影響を受けてエンジントラブルを起こすことも。
燃料やエンジンスイッチが入っているかの確認に始まり、最終的にプラグを外すなど分解に至るまでいくつもの(10ほど)点検項目があります。
自分で不具合を見つけて問題解決できるように、工具や交換部品を携帯します。
手を焼かされることもありますが、自分で整備したり修理できる単純なエンジンには個性や癖があって愛着を感じます。
愛情を注ぐほど自分好みに仕上がるエンジン!仕事の効率も上がります。
ですが、危険と隣り合わせの伐木作業、自分の身を守るためチェンソーを見捨てなければならないときもあります。
いざという時、ためらいなくチェンソーを見捨てられるか?
チェンソーとのほどよい距離感を保つことが・・・、難しい?