「山火事を起こしたら年長者のワシが謝りにいかなあかんねん」
(謝って済む問題かどうかは別にして・・・)
森さんの師匠・無敵の超林業人でも、乾燥時期の焚火にはビビりまくり!
火をたくごとに「ワシが・・・」と繰り返されると、おのずと森さんの火の扱いも慎重になります。
新人たちに火の怖さを印象付ける戦法です!(^^)!
時がたち師匠も引退、やがて班長となった森さん。
焚火のたびに「山火事を起こしたらわたしが謝りにいかなあかんねん」
点火
ビビりながらもちょう場(みなで集まる場所)で焚火せざるを得ない林業。
寒さより厄介なのが、仕事(チェンソーワーク)でかく汗(;^_^A
ハードワークゆえ、真冬でもかなりの汗(仕事中は体から湯気が!)
特に無駄な動きが多い桧山さんの汗は「半端ないっす!」
(「チェンソー切創防護ズボン」安全作業に欠かせないものですが、汗の量が増!)
そのまま昼休憩を過ごすと風邪をひいてしまうので、まずは着替え!
その後、冷え切った体を暖めるために焚火するのです。
たいていのキャンプ場は「直火禁止」ですが、林業でも直火はしません。
定番の「焚火台」も使いません。
林業では、地面を掘って火をたく「地下火」です!
(キャンプ場では絶対NGです)
そこで登場するのが・・・、
5,6年植林で使用したトグワ、刃先が減りかなり小さくなってます。
植林用としては引退ですが、焚き火用にはちょうどいいのです。
持ち歩く際に危険はないし、軽いので!(^^)!
寒くなると、森さんの傍にはいつもトグワがあるのです。
トグワ(または代用品)がなく“地下火できない”ときは焚き火を諦めます。
着火の手順は、
先ずはトグワでスギ芝など燃えやすいものを払い除け、その中心に直径60㎝、深さ20cm強の穴を掘ります(4人用)
掘った土は穴の周りに盛り、火元に風が当たらないよう風防にします。
その穴に焚きものとなる、スギ芝、枯れ枝、立ち枯れ木で作った薪などを投入。
(焚きものは、午前の仕事終わりにみんなで持ち寄ります)
点火は、キャンプと変わりありませんが・・・、
雨の日や焚きものが濡れているときに、チェーンオイルを使うのは林業ならでは。
消火
肝心なのはここから、焚火の後始末。
「年長者が・・・」というのは、責任の所在を明確にする先人の知恵ではないかと。
「火元責任者」的な人が責任を持って火の始末をしないと・・・。
「誰かがやってくれるだろう」では✕。
消火の手順は、
熾火(おき火)状態の焚火に水(お茶など)をかける。
大きな炭火はトグワで叩いて細かくする(炭内部の火が残るので)
盛ってあった土で火元を埋め戻す。
踏み固めて空気(酸素)を遮断(まだ地中から煙が出てる)
念のため水などをかけて消火完了!
水をかけとけば火は消えると思いがちですが、炎が消えても熾火内部の火は残ってます。
(建物火災でも、消防[本職]さんが鎮火後、消防団は現場に残って半日ほど放水・監視を続けるのが役目。放水だけでは完全消化は難しいのです)
火元を地中に埋めて空気の供給を断てば、水では消えない内部の火も消せます。
午後作業の準備をして、ちょう場を離れる際に再度消火を確認!
消火が不十分であったため、近くのリュックが燃え、中の財布が燃えてしまった人もいます。
(被害が財布で済んでよかった・・・)
ちなみに・・・、午後作業が終了し車まで下山したところで、また着替え!(^^)!
(直帰or事務所戻り、いずれにしてもここからがまだ長い)
洗濯物の量も「半端ないっす!」
迷信?
焚火にまつわる迷信?みたいなものがありまして・・・、
それは「焚火の煙に燻されるのは男前の証」というもの。
この続きは「焚き火編その2」で。