たかがチェンソーと侮ることなかれ㉖ーリールチェーンorループチェーン

仕事中に“ブチッ”と切れたソーチェーンを、ひーちゃんのところに持ってきたスギちゃん。
「まだまだ使えるチェーンなんで・・・つないでちょー」
「任せてちょー」と答えるひーちゃん、なぜかうれしそう?
どういうこと???

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チーム森は「リールチェーン」


チェンソーの主要パーツであり消耗品でもあるソーチェーン。
(ソーチェーンに関しては⇒こちらで
たいていは、直ぐにチェンソーに装着できる「ループチェーン」を購入しますが、チーム森では「リールチェーン」を購入。
一本につながったソーチェーン(長さ約30m)を購入し、付属のジョイントリンク(タイストラップ)を使って自分でループチェーンを作ります。
このリールチェーンの管理・加工を任されているひーちゃん、チェーンをつなぐ毎に500円のお小遣いがもらえるので・・・、

でも喜んでるのはひーちゃんだけではないのです!(^^)!

リールチェーンのメリット


チェーン一本当たりの価格が安い

リールひと巻きでループチェーンが28本ほど作れます(16インチ計算)
一本当たりの値段を計算すると、リールチェーンの方がかなりお得です!
例えば、25AP16インチ(84コマ)の場合、ループチェーン価格が約3800円のところ、リールチェーンからループ加工すると約2200円!
1600円の差額は大きい(20BP・95VPタイプで差額1100円ぐらい)
もちろん注文に応じた長さで自由に加工できます(作成本数も変わってきます)

自分たちで切れたチェーンの修理ができる

業者に頼むと一コマあたり1000円前後はかかるチェーンの修理。
リールチェーンを導入する際にループチェーン製造工具も購入しているため、チェーン修理も自前でできちゃう!

(左がチェーンブレーカーとアンビル、右がリベットスピンナー)

雨仕事にも

一般販売・修理を含め大々的に導入すると、それなりの作業量になり雨の日仕事の足しになります。
ただし、チェーンタイプの絞り込みが必要。

ソーチェーンが個人持ちか支給かにより違いはありますが、安く済むに越したことはないですね。
コスト削減意識を高める点でもメリットあり!

この話、重機の油圧ホース(しょっちゅう切れる)にも言えることでして・・・。
30年前に研修でお世話になったH林業では、すでにカシメ機を導入して自前でホースを作成。
機械のお値段、250万円だったか400万円だったか・・・(記憶が曖昧)
近隣に油圧ホースを販売しているので元が取れるそうです。

リールチェーンのデメリット


初期投資が必要

前出のループチェーン製造工具(チェーンブレーカー・リベットスピンナー)が必要。
2万5千円前後、ちょっとお高いですが直ぐに回収できます。
(油圧ホースのカシメ機に比べれば安い買い物)
チェーン修理でも活躍してくれますので。

作業が細かく面倒くさい

やってみると・・・、意外と面倒で細かい作業。
作業スペースもそれなりに必要(リベットスピンナーをボルト固定する作業台が必要)なので、リールチェーンを管理・加工できる人やスペースがなければやめたほうがいい。
新規ループチェーン作成は慣れると簡単ですが、厄介なのはチェーン修理。
自分がT班長の下で働いていたときに、班長が自己資金でリールチェーンを導入(管理は自分に)
儲けなしで他班にも販売、購入者のチェーンも無料で修理と太っ腹です!
ただ・・・、思った通り?修理依頼が殺到、もう引退でしょうというチェーンまで持ってくる(>_<)
全体的にダメージが及んでいる場合は、たとえカッターが減ってなくても寿命です。
修理のため足りなくなったジョイントリンクを追加で購入したところ、
これが意外と高い(送料込みで一コマ150円前後)
以後、実費の修理代を頂くことに(思惑通り、修理依頼も激減!)

やがて消耗品は個人ではなく組合持ちとなりリールチェーンは消滅しましたが、
いつかチーム森のように、新人さんの小遣い稼ぎができるような仕組みにして復活させたいと思っていました。
(実質は雨の日仕事により出勤日数を確保となるかな・・・)
導入するなら“儲けなしや無料”はやめて、手間賃(工賃)をちゃんともらった方が良いですよ、お互いに!

久しぶりに


今シーズンの薪確保で伐倒作業を行っていると・・・、
20年選手の「ゼノアG3700」が突然エンジンストップ!いよいよ引退です。
温存していた「ゼノアG3701」を引っ張り出して作業再開と思いきや・・・、

チェーンリンクに亀裂が見つかり作業ストップ(>_<)
異音がして切れる前に気付きました。
G3700はチェーンタイプが25AP、G3701は95VPで予備チェーンなしだったため修理することに(10年以上ぶり)

リベットスピンナーを扱う際は、リベットをカシメ過ぎないことがポイント!
奥側のハンドルを回し過ぎないように!
一度切れたソーチェーンは切れやすいと言いますが、個人的には同意見です。
今回修理したチェーンもよく見ると全体的にダメージがあり、また切れるのは時間の問題。
近いうちに新しいループチェーンを購入しないと・・・。
(引き取り手がなく手元に残った工具は“宝の持ち腐れ”状態です)

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投稿者: natsukopapa2017

動物と昭和と軽キャン好きのイラストレーターです。 林業(フォレストマネージャー)をしていたためその関係のお仕事が中心です。