今回は、チェンソーではなく草刈機と共にご登場!
林業では、草刈機とは言わず“刈払機(かりはらいき)”と言います。
草刈機と刈払機の線引きはあいまいですが、刈払機はかん木も切断できるハイパワー&タフネス(プロ仕様)といったイメージです。
当然?値段はカジュアルな草刈機と比べ2~3倍とかなりお高め!
林業で刈払機と言えば・・・、
夏場の過酷な下刈り作業(;´Д`)
なので、あえてリゾート気分で!(^^)!
昔は本当にリゾート風?
20年ほど前までは、鎌(かま)を使った下刈り作業でした。
下刈りとは、スギやヒノキの苗を植えた植林地の草刈り作業です。
(林家によっては、誤伐を避けるため刈払機を使用しないところもあります)
30~50cmの苗が、人の背丈ほどに成長するまで(約5年)毎年夏場に行います。
日よけに麦わら帽子をかぶってひたすら鎌を振る、けっこう大変(>_<)
でも、見た目は牧歌的!(^^)!
そこに登場したのが“刈払機”
当初は、鎌作業と同じラフな格好で刈払機を扱っていましたが、事故が多発!
「これではいかん!」と刈払機や安全装備の改良が進んだのです。
加えて、熱中症やハチ毒(アナフィラキシーショック)に対する対応も進みました。
安全対策が取られてきたとはいえ・・・、
やはり下刈りはキツイ(;´д`)
(みなさん真っ黒に日焼けしていますが、長袖長ズボンにフェイスガードの完全防備、草地で照り返しも弱いため、実際は思ったほど日焼けしません)
キックバックにご注意!
キックバックとは、刈払機やチェンソーの回転刃により跳ね返される現象のこと。
刈刃は左回転なので、キックバックを起こすと自らを軸に右方向に振られます。
(「そちも悪よのぉ~」のキックバックではありません)
ハイパワーな刈払機のキックバックは強烈です。
その反動により、回転刃が自分や近くの人に当たり事故につながるのです。
(フォレストワーカー研修テキストより)
回転刃には、キックバックを起こしやすい部分があるので、そこにかん木や切り株をヒットさせないよう気を付けます。
原因が分かれば、対処方法も見つかります。
しかし、キックバックを完全に防ぐ方法はありません!
対策の基本は、周囲との安全距離をとる!です。
この点についてはこちらで⇒たかが草刈機と侮ることなかれ⑦ー半径5mの立ち入り禁止区域
下刈りは、距離を開けて横一列(等高線上)に全員が並び、左右方向で草を刈りながラインを押し上げていきます。
新人さんなど遅い人がいる場合、無理に近づきリスクを冒すより、相手上段を余分に刈り込むなどして調整します。
チーム森の場合、林さん・桧山さん・森さん・杉山さんの並びが理想的。
理由は、
両サイドは仕事量が多いので、ベテラン林さんと元気な杉山さん、
全体を把握しやすい中央寄りにリーダー森さん、
残る新人の桧山さんは、林さんと森さんの間。
安全と効率を考え人員を配置するのも、リーダーの大切な仕事です!
いろいろ選べる?山林プロ仕様
プロソー(チェンソー)に比べると、小型エンジンを搭載する刈払機。
プロ仕様でも22~26㏄クラスがスタンダードです。
22と26では㏄差はわずかですが、使い勝手は大きく変わります。
体力が消耗する下刈りでは、軽さをとるか、パワーをとるか・・・、悩みどころです。
昔は、操作棹をアルミにするかジュラルミンかで悩みましたが、最近ではジュラルミンが標準仕様となっている様子。
あとは、肩掛け式にするか背負い式にするか、ハンドルはUハンドル(両手式)・ループハンドル・ツーグリップにするかで悩みます。
何がどう違うのか?
(次回につづく)