昼は座席モード、夜はベッドモードに転換・・・、軽キャンの話?
いえ、今回は昭和42年(1967年)にデビューした581系寝台電車のお話です。
軽キャン車内改造のお手本
このテーマは、以前取り上げていますので、詳しくはこちらで。
⇒特急形寝台列車「583系」から学ぶ車中泊レイアウト
今回は、583系ではなく「京都鉄道博物館」に保存されている581系に会いに行きます。
クハネ581-35
車両の側面には、形式表示がなされています。
鉄道に詳しい人なら、これだけで車両を特定できるそうです。
クは、制御車つまり運転台があること、
ハネは、B寝台車であること、
5は、交直流両用電車であること。
電車は、架線からパンタグラフを用いて電気を取り入れ、モーターを回して走行します。架線には、地域によって直流/交流と種類の異なる電気が流れています。
5という数字は、どっちの電気にも対応できる車両であることを示しています。
8は、特急型電車であること。
その後に続く数字が、1もしくは3なのですが・・・。
ちなみに、“ー35”は、製造番号。
581系と583系の違いは?
このイラストを思い出してください。
⇒昭和の照明器具
交流電気には、2種類の電源周波数があるということ。
581系は、直流区間に加え西日本の60Hz交流区間に対応した車両。
対する583系は、581系を改良して東日本の50Hz交流区間にも対応できる車両。
昭和43年(1968年)に、東北本線電化とともにデビューします。
系列が同じなので、車両数の多い583系の陰に隠れがちの581系。
では、ご本人(車)の登場ということで・・・。
世界初の座席・寝台両用電車「月光」
昭和42年に、博多-新大阪を結ぶ寝台特急「月光」としてデビューした581系。
このため581系、後の583系電車のことを、“月光形”と呼ぶようになります。
「月光」は、寝台化から座席化への転換を2時間で終えると(これが大変な作業だったそう)、日中は大分-新大阪を結ぶ昼行特急「みどり」として運用されました。
車内の様子は、
対面式で、しかも固定座席(他人と同席は気まずい?)
同時期にデビューした特急の車内は、
昼行特急としては、座席面でやや不利だったようですが、本領を発揮するのは寝台特急として。
4人掛けボックスシートが、3段ベットに転換!(撮影が下手でごめんなさい)
寝るには十分なスペースが確保、しかも上段の人も小窓から景色を楽しめた。
3段ベットの高さを確保するため、屋根の高い造りになっています。
隣の電車と比較するとよく分かります。
座席・寝台両用電車としては、世界初となった581系。
このクネハ581‐35は、今年で50歳の車両です。
京都鉄道博物館
水曜日が休館日です。
ペットは入館できませんが、盲導犬・介助犬・聴導犬たちはOK。
飲食物の持ち込みOK。ただし、展示室内は飲食禁止。
京都駅から徒歩20分ほどかかりますが、途中3分の1は梅小路公園内を歩くので、さほど苦にはならないかと(土休日には、バス運行あり)
公園内には、市電をショップに改造した「市電広場」もあります。