昭和の原付バイクーホンダ・タクト①

タクト(指揮棒)という名前には、自分で思うように「指揮」することにより多用途に楽しめる乗り物、という意味合いが込められているそうです。
タクトが登場した1980年(昭和55年)は、原付バイクが単なる“移動ツール”から“ファッションアイテム”へと変化する転換点だったのかもしれません。

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スタンダードスクーター、タクト


いつもは“初代”にこだわっていますが、今回は1984年から1986年(昭和59年~61年)にかけて、三代目として登場した「スーパータクト」を中心に取り上げています。

この頃の原付は、“オートバイの入口または入門編”としての役割を果たし、当時の若者は“中排”バイクへとステップアップしていきました。
結果、年々原付の販売台数は減るものの、オートバイ全体の販売台数は増加していきました。

初代と二代目(ニュータク)は、多用途モデルで幅広い層に人気の機種で、すでにスタンダードスクーターというイメージを確立していたと思います。

三代目はラインナップを充実させモデルを増やすことにより、
より自分のスタイルに合ったタクトを選べるようになりました。

我が家が選んだのは、ベーシックなスーパータクト(ホワイト)
このモデルには、基本色に加えキャンディカラー仕様も用意されていましたが、やかて“ヤンキー”のみなさんの人気を集める「クレージュタクト」が加わることになるのです。

クレージュタクト


パステルカラーを使用した、女性をターゲットにしたファッション性の高いモデル(限定販売)
色々なものがパステルカラーに染まった80年代、服飾、雑貨、家電、そしてバイクも。
似合う似合わないが、人によってはっきり分かれたパステルカラー・・・、
流行りましたね!(^^)!

クレージュタクトを含むスーパータクトは、軽快な走りが特徴。
少々やんちゃなイメージの強いスーパータクトでしたが、モデル末期の1986年(昭和61年)には、落ち着いた大人の雰囲気「タクト・トラッド・エディション」が特別仕様車として登場。
タクトは、幅広い層に浸透したスクーターとなりました。

一方、スポーツテイストを売りにしていたのが・・・、

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タクト・フルマーク


二代目初代マイナーチェンジからラインナップに加わった「タクト・フルマーク」、三代目にも引き継がれました。


四代目「メットイン・タクト」登場の際には、複数あったモデルがすべてこのタクト・フルマークに統一されました。

メットインタクトについては⇒こちらで

フルマークは、サイドトランクを装備し、SUV的な雰囲気があります。
イラストに描いたのは、1986年(昭和61年)に大型シートやキャリアを装備しグレードアップした「タクト・フルマークS」
ビジネスはもちろん、レジャー用途にも使いやすいモデルとなりました。
キャンプ道具を積んでちょっと遠出もOK!(志摩リンのよう?)

スーパータクト/フルマークのエンジンは、同じ2ストロークエンジン。
出足が良くキビキビ軽快に走るのですが、扱いに慣れるまでは慎重な運転が必要
前傾姿勢をとらずに、アクセルを多めに回すと大変なことに。

のんびり優雅に走りたいという人にお勧めだったのは・・・、

タクトアイビー


1986年(昭和61年)登場の「タクトアイビー」の最大の特徴は、4ストロークエンジンであること。

パワフルだけどスムーズなのが4ストロークエンジン、走りは“マイルド”です。
しかも低燃費(100.4Km/L)、2ストロークタクトよりリッター20キロ強延びます。
混合ガソリンの2ストロークより、排気ガスもきれいです(環境に優しい)
以前登場したバイク好きのT君(初代ママ原チャリの特徴編)が、「バイクは苦手」と言う年配のご婦人に勧めたのがタクトアイビーでした。
一度、アイビーに乗らせてもらいましたが、T君のアドバイスは正解だったと思います。

このように老いも若きにも受け入れられたタクトシリーズでしたが、
時代の流れには逆らえず、1998年(平成10年)登場の七代目タクトで生産は終了、その歴史に一旦ピリオドを打つことに。

その後のホンダは、スタンダードスクーターの路線を離れ、若者にターゲットを絞った製品に注力していきます。
トゥデイ、デュオ、といったバイクが誕生し、エンジンも2ストロークから4ストロークへと切り替わっていきます。

フェンダーミラーから消えた原付


タクトが誕生した1980年当時、自動車にはフェンダーミラーが義務付けられていました。

(1983年に規制が解除され、ドアミラーが一気に普及)

免許を取った自動車教習所でたたき込まれた呪文が・・・、
「ルーム・フェンダー・合図・フェンダー・目視」
車を左折させる際、バイクや自転車を巻き込まないよう行う安全確認です。
合図(ウインカー)を出す前に、ルームミラーとフェンダーミラーで後方を確認、
合図を出した後に、もう一度フェンダーミラーで後方確認、
ハンドルを左に切る直前に振り向いて自分の目で確認、という手順です
この手順を怠ると、検定試験をパスできません。
しかし、いざ路上に出るとこの手順の重要性を思い知らされます。
「フェンダーミラーには、いつも原付バイクの姿が写っている!」
車を運転するようになり、改めて原付バイカーの多さを認識したのでした。

ところが、現在のドアミラーには、原付バイクの姿は滅多に映りません。
原付に乗る人が減っていることを実感します。
楽しい乗りものなのに・・・。

この続きは、その2で。

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