たかがロープと侮ることなかれ①ーワイヤーロープ

本日は、雨のためチェンソー作業は中止に。
新人フォレストワーカーの桧山さん、ちょっと憂鬱なご様子。
これから苦手なワイヤーロープのアイスプライス加工をするので!
(フォレストワーカー研修では、1年次からワイヤーロープのカリキュラムが組まれています)
アイスプライス加工により、スリングロープ台付けロープを作ります。
繊維ロープのように結ぶことのできない硬いワイヤーロープ!
どのようにアイを作るのでしょうか・・・、

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いったん別れて(分かれて)よりを戻してアイを育む!


恋人との関係がどうの・・・、ではありません(;^_^A
あくまでスリングロープ(以下スリング)台付けロープ(以下台付け)のアイの物語です。
見た目はほぼ同じですが、用途が異なります(詳しくは後ほど)

まずはアイスプライス加工に必要な道具から。

左から、ワイヤーカッター/プライヤー/刺し針2種類/ハンマー。
ワイヤーカッターと刺し針だけでも、作業は可能です。

次に用意するのは、太さ10-14mmのワイヤーを、必要とする長さ+1.5~2mでカットしたもの。
ワイヤーロープの切断面を見ると、芯綱を中心に6本のストランドをより合わせていることが分かります。
刺し針を使って、芯綱+3本ストランドと3本ストランドに無理やり?別れさせます(心を鬼にして)
そして育みたい?アイの大きさのところで交差、逆方向によりを戻していきます。

(ここまでの前処理をフレミッシュアイ加工と言います)

よりが戻りアイが完成!と思いきや・・・、
単によりを戻しただけでは強度不足、二度と別れないよう次なるステップへ。
ただし、スリングと台付けとでは目的・用途が異なるため、別々の方法でアイを強化します。
この続きは後半で。

異なる!スリングと台付けの役割


スリングの役割は、ものを吊り上げること(林業では原木や材)

台付けの役割は、ものを固定すること(林業では主に滑車)

このように、用途が全く違うのです。
求められている安全係数からすると、台付け<スリングとなります。
スリングには、編み込み回数と、ストランドを丸差/半差ししなければならないといった規則もあります。
スリングを台付けとして使用することは〇
台付けをスリングとして使用することは✖、となります。

桧山さんは、台付けのアイスプライス加工をマスターすべく奮闘中で、スリングの加工はまだできません。
何がどう違うのか?
再びアイの物語に話を戻します。

続・アイの物語


アイの強さを決めるのは、意外にも?よりを戻せなかった残りの3+3のストランドです。
アイスプライス加工の本番はこれからなのです。
アイがほどけないよう、バラした各3本のストランドを、
スリングは、よりと反対方向に編み込み、
台付けは、よりに沿って編み込みます。

スリングに使われる「かご差し」のように、よりのかかったストランドを反対方向に編み込むのは大変です。よりを怒らせることなく上手に収めていかないと、途中でストランドがグチャグチャになりやり直しです。
しかし、時間と手間をかけるだけのことはあり、荷を吊り上げる際の回転によるロープのより戻り(より抜け)状態でも、編み込み部分はなかなか解けません。
一方、台付けに使用される「巻き差し」は、よりに沿って編み込んでいくため加工しやすいのですが、ロープのより戻り(抜け)に弱いため、吊り上げには不向きです。

スリングや台付け以外にも、現場では日常的にアイスプライス加工が行われます。

スイングヤーダのウインチワイヤー先端のアイは、現場で作成・修理します。
林さんのようなベテランは、切り株を作業台代わりに短時間でアイを加工。
また、場合・場所によっては立ったままで加工します(T字型の刺し針がベスト)
桧山さんはその様子を、よだれを垂らして?じっと見つめています。
このアイスプライス加工、人によって得手不得手があるようで・・・、
苦手な桧山さんにとって、林さんは憧れの存在です。
何度も失敗すると、トラウマに(>_<)
夜な夜な夢で・・・、

うなされます・・・(>_<)

あきらめずに・・・


愛はともかく・・・、アイは挑戦し続けることが大切。
林業では、ワイヤーロープ(スリングや台付け含む)の損耗が激しいため、その機会は度々訪れます。
苦手意識を持たずに、何度も何度も挑戦!
気が付くと桧山さんも・・・、

立ったままアイスプライス加工をしているではないか!
巻き差しはもちろん、かご刺しも完全マスター!
ただ、油断すると、またよだれが・・・。
(下を向いて複雑な作業をするため)

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