かかり木処理②ー引き

「推進運転(押し)」で終点「井川」まで上ってきた大井川鉄道・井川線のトロッコ列車。
「千頭」に下りていく際は、その編成のまま「牽引運転(引き)」で運行されます。
(こういう運転方式をプッシュプル運転と言うらしい)
急こう配を制限速度で走行するため、機関車はいくつものブレーキを駆使して安全に客車を「引き?」ます。

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繊維ロープで「引く」


発車時に「ガクン」と揺れる列車、旅情があり好きでしたが・・・、
最近の列車は走り出しも滑らか。
連結器に「遊び」がなくなったからそうで。
昔の機関車は、最も負荷がかかる発車時にすべての客車・貨車を引くにはパワーが足りなかったそう。
でも、連結器に遊びがあると1両目、2両目と時間差&連鎖的に「ガン・ガン・ガン」とパワーが伝わるため不足分を補えるそう。
ただし、あの「ガクン」が必ず起こるため乗り心地にはマイナス(>_<)

かかり木を「引く」ときに使用する繊維ロープ。
ロープにも遊びに似た「伸び」があります。
ただし、連結器の「ガツン」という衝撃の連鎖とは違い、ロープは伸びることにより衝撃(力)をソフトに吸収してしまいます。
なので、機関車のように効率的に「引く」という訳にはいきません。
そもそも、木は枝や幹など“しなり”で力を吸収してしまうので・・・、
かかり木をロープで「引い」ても外れにくいのです。
(架線のリードロープの切れ端〈クレモナロープ〉などが処理ロープとしては最適)

その一方で、かかり木が外れるときは、諸々の力も解放され結構な勢いで倒れてきます。
ゆえに、かかり木処理のガイドラインでは、直引きはせずに・・・、

滑車で方向を変え、安全な位置から引き寄せるようにとあるのです。

個人的には、滑車を取ってる木(トムの位置)に足をかけ、ダブルロープで全体重を預けて引く(立木の陰で引くので安全)方法でしたが・・・、
ガイドライン的にはアウトなのかな??

かかり木は外そうとしてもなかなか外れないのに・・・、
側をウロウロしていると「パッキッ」と枝が折れる音と同時に突然倒れてくることがあります!
ロープをかけたり滑車を取り付ける際も、かかり木に背を向けず常に視界の中に捉えておくべし!

油断禁物です!

ロープに関してはこちらでも
たかがロープと侮ることなかれ②ー繊維ロープ
たかがロープと侮ることなかれ③ー結び方

牽引具で「引く」


一人作業で持ち運びできるぎりぎり?の牽引具を2つご紹介。
小型・軽量で、かかり木処理に必要最低限の牽引能力となると、かなり機種が絞られてしまう。

プラロックmpr-2000(マーベル)

職場では「ロープチル」と呼んでました。

φ14㎜✕10m繊維ロープ仕様で重さ約3キロ、引張能力約350キロ。
伐倒補助の木起こしなら十分の引張能力ですが、かかり木処理にはやや不足(贅沢は言えません)
もちろん単引きでの話、滑車を取れば倍力できますがロープの延長が必要。
ロープの先端にフックがないので林業向き(たくし上げOK!)

荷重がかかるとハンドル操作はかなり重い(>_<)
本体強度も十分、ロープの破断荷重も4トン近くあるので安心ですが、ロープが伸びピンピンに張ってくるとちょっとドキドキ。
ハンドル一体型(なので頑丈)ゆえ、携帯には大きめの背負い式ギアコンテナがあると便利。
お値段は3万円前後とお高い(>_<)ですが、このカテゴリーでは実用性ナンバー1だと思います(個人の見解です)

チルメート(本宏製作所)

小型・軽量のチルホール。

φ4.76㎜✕10mワイヤーロープ仕様で重さ一式で3キロ前後、引張(横引)能力約450キロ。
お値段はプラロックと同じく3万円ぐらい。
コンパクトで持ち運びやすい。
繊維ロープのプラロックと比べると、セットするのがちょっと面倒。
それゆえか・・・、あまり出番がなかったよう(>_<)

このクラスの牽引具で処理できないかかり木が多発するようであれば・・・、
「もっと間伐率を上げてくれ」
「もっと早めに間伐してくれ」と言いたいが・・・。

「押す」「引く」の次は「回す」


かかり木相手に人間が「押す」「引く」の力技には限界が・・・。
とっておきの奥の手は「木回し」
木回しを成功させるためには、それなりの策略が必要でして。
続きはまた今度。

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